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2007年12月25日 (火)

知恵蔵、Imidasの休刊

Photo実は最近になって知ったことだが、知恵蔵とImidasが休刊になっていた。

両誌とも休刊の最大の理由は、インターネットの普及に伴う販売部数の減少だという。それは毎年この2冊を購入していた私が、やがて買うのを止めた経緯と符合する。

Imidasは、私が翻訳業界に関わるようになった1987年が創刊号の号数であり、知恵蔵の創刊号は私がフリーランスになった1990年号である。それだからというのではないが、この2冊はフリーランスになって以降、毎年買っていた。

その頃、検索エンジンなどは簡単に利用できるものではなく、辞書は既に定義が定まった言葉しか取り上げておらず、私のようにいわゆる産業翻訳を中心とした仕事をする者にとって、この2冊は必需品であった。

知恵蔵とImidasは取り扱う内容が微妙に異なっていて、一方で見つからない言葉ももう一方を調べると出ていたりすることがしばしばあり、また中には対応する英語表現が載っていることもあったりして、仕事に欠かせないリファレンスだった。問題はその嵩と重量で、片手で気軽に引くことができるなどという大きさではなく、机の脇に専用の台を置き、その上に広げて使っていた。

ところがある時、冬に購入してあった最新の知恵蔵とImidasを、夏になっても使っていないことに気づいた。買ってきた時と同じく、別冊付録をはさんだまま書棚に置き、結局1年間使うことなく、次号を購入することになった。それはインターネット接続をISDNに切り替えた頃ではなかっただろうか。

買ったものの使用しないという状態が数年続いた。なにしろあの通り大部の出版物である。それを毎年2冊ずつ購入していると書棚をたちまち占領されてしまう。しかも使う機会がほとんどないのでは費用とスペースの無駄だと考え、購入を中止した。その後、他の資料を納める必要から、手元にあった知恵蔵とImidasを処分した。今書棚にあるのは、最初に買った知恵蔵創刊号(冒頭の写真)と最後に購入した1999年号の合計3冊だけである。

過日、本屋に行って確認したところ、『現代用語の基礎知識』はまだ出版されていたが、版が小さくなっていた。陳列されている場所もあまり目立つところではなく、売れ行きが芳しくない様子が感じられた。かつて、師走になると3冊揃って山積みにされ、本屋の店頭における冬の風物詩となっていた頃もあったなと感慨を深くした。

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コメント

"情報化社会" という、もはや手垢に汚れきった感のある言葉の意味を、最も実感できている(恩恵を受けている)職業のひとつが翻訳者(実際には産業翻訳者)だと思います。
使う道具はもちろん紙とペンから、ワープロを経てコンピュータへと変わりましたが、それ以上に大きかったのがリファレンス手段の変化ですね。まさに年末の "風物詩" で、毎年の付録の趣向も楽しみでしたが...

ソシュールの件も、ご報告をありがとうございました。

投稿: baldhatter | 2007年12月26日 (水) 17時49分

そう言われると〝情報化社会〟って言葉、最近あまり聞きませんね。〝情報化〟が意味するところが常態化して、普通のことになってしまったからでしょうか。言葉の栄枯盛衰は、殊にITの世界で激しいようです。

投稿: Jack the Rabbit | 2007年12月26日 (水) 22時19分

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