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2008年2月22日 (金)

2段ロケットの角

Photo_2渡辺竜王の自戦記に面白い話があった。

王位戦のリーグ1回戦における▲橋本崇載(たかのり)七段―△渡辺明竜王戦でのこと。後手番の竜王が「久々にやりたいなぁと思っていた」という横歩取り8五飛戦法を採用し、△1四歩と突いたのが図1

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「△1四歩の他には△7四歩▲3三角成△同桂▲3五歩が良くある進行。先手は△7四歩の瞬間に▲3三角成~▲3五歩が狙いで、△同飛なら▲4六角が飛香の両取りになります」と竜王の解説にある通り、この辺りは応手ひとつ間違えると一気に形勢が傾いてしまう難しい局面。 

そこで様子見の意味で△1四歩としたのだが、これに橋本七段は▲7七角と新手を繰り出してきた(図2)。 

2_4










この手の意味を測りかねながら竜王が△7四歩と突いた瞬間、▲3三角成(図3)。

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なんといったん7七に上がってから、相手が7四歩を突くのを待って成り込むという手損の一手。ところがこの手損には鋭い狙いがあった。それは、この後△3三同桂▲7七桂△8四飛▲2三歩△同銀▲2四歩と進み図4になって判明する。

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この局面で後手の2三銀は1四に体をかわすことができない。かといって、△3四銀には▲5六角がある。やむなく△1二銀と引いたが、この後先手の猛攻を受け、短手数で後手の投了となったという。

横歩取りというのは序盤から一気に終盤に入っていくような激しい展開が多いものだが、ことにこの一戦は「切られ役」が渡辺竜王ということもあり、その竜王の読みを外した、橋本七段の2段ロケットのような角使いが光っていた。いや、将棋にはいろいろな手があるものだ。










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