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2008年2月24日 (日)

「ロス疑惑」と呼ばれた事件

かつて「ロス疑惑」という名で世間を騒がせた事件の中心人物が、アメリカのロスアンゼルス警察に逮捕された。

この事件についてCNN.comがその経緯を要領よく簡潔に報じていた。骨子は次の通り。

2月24日、ロスアンゼルス警察は、20年以上前に妻を殺害した容疑で日本のビジネスマンを逮捕したと発表した。
三浦和義(60)は23日サイパンで逮捕された。三浦とその妻一美さん(当時28)は1981年11月、ロスアンゼルス市内の駐車場で何者かによって銃撃され、三浦は右脚を、一美さんは頭部をそれぞれ撃たれ、一美さんは1年後日本の病院で死亡した。
三浦は強盗に襲われたと主張し、事件は国際的波紋を呼んだ。その後、三浦は日本で裁判を受け無罪が確定した。
三浦はアメリカに身柄を移されることになる。

はたして、アメリカの警察によって「事件の真相」が解明されるのかどうか―その点については予断は避けるが、今回この報道を聞いて思ったのはアングロサクソン系文化の執念深さである。無論、法律上日本では規定されている殺人罪の時効がアメリカにはないという事情もあるが(時効がないこと自体が「執念深さの証左」ともいえる)、それより被害者も(おそらく)加害者も外国人と思われる事件で、しかも被疑者がその自国において既に裁かれた後、発生から20数年も経って敢えて被疑者を捕らえるという諦めることを知らない執拗さ―日本が過去を水で流す文化なら、彼の文化は自分の血を使ってでも過去を書き留め決して忘れるまいという覚悟の強さを感じる。それは第二次大戦後、皇室を存続させた国とナチスを徹底的に制裁した国との違いにも如実に表れている。

ところで公訴時効というのは、

  1. 実体法に基づく根拠(時間が経過することで、犯罪を罰する意味が薄れる=社会的な応報感情が薄れる)
  2. 訴訟法に基づく根拠(時間が経過することで証拠が散逸し、公正な裁判が維持できない)
  3. 前記(1)と(2)を合わせたもの

がその理由らしいが、殺人を犯した者に対しては「社会的関心」が薄れることはあっても、「応報感情」が薄れるとは思えず、またDNA鑑定など新しい捜査技術が登場してきていることを考えると、こと殺人罪(およびその他の凶悪犯罪)については時効は廃止すべきではないだろうか。

うがった見方をすれば、今回の逮捕劇はアメリカ側に何らかの意図があり、日本の刑法改正に揺さぶりをかける(つまり、殺人罪などの時効の見直しを迫る)意味合いが込められていると読めないこともない。

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