« あこがれの車 | トップページ | キーボード再交換 »

2008年4月15日 (火)

チベット問題:時間との戦い

過日、あるテレビ番組に出演した元NHKアナウンサーの池上彰氏が「現在では、ダライ・ラマの後継者は中国政府に決定権がある」といった趣旨の発言をした。

調べてみたところ、Wikipediaの「ダライ・ラマ14世」の説明に、「中華人民共和国国務院が2007年9月1日に転生を届出ならびに許可制とする『チベット仏教活仏転生管理弁法』を施行し、活仏の転生霊童の認定にあたっては国家宗教事務局への事前申請ならびに許可を必要とすると定めた。」とあった。さらにリンクをたどり、次の記事を見つけた。

チベットの活仏、転生者決定に必要な3原則
-------------------------------------

西蔵(チベット)自治区の向巴平措(シャンバピンツォ)主席は7日、「活仏の転生者の決定には、歴史的な慣例・宗教上の規則・中央政府の認可という3つの原則および国家の関連法規を守る必要がある」と述べた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。

向巴平措主席によると、活仏の転生者の決定に際しての歴史的な慣例と宗教上の規則は早くから制度化が進んでおり、重要な活仏の転生にあたっては「金瓶掣簽(金瓶に入れたくじを引く儀式)」が必要で、中央政府の許可も必要とされてきた。向巴平措主席は、「これらの原則を破って転生者の選定を行えば、チベット人やチベット仏教の信者たちは承諾しないし、その失敗は目に見えている」と述べた。(以下略)
「人民網日本語版」 (2008年03月08日)より

つまり北京の許可なしには、正統なダライ・ラマ15世たりえないということである。はたしてこの規定にどの程度の実効性があるのかは分からないが、既に72歳というダライ・ラマ14世の年齢を考えると、残されている時間は決して多くはなく、チベット独立派の焦燥も理解できる。

また同じテレビ番組で、「実は中国政府は、チベットよりも新疆ウィグル自治区の方を警戒していた」という発言もあった。いわば、チベットの暴動はその北京政府の虚をつく形で起きたというのである。中国国内にはこのほかにも内モンゴル自治区をはじめいくつもの「独立運動」がある。そうした状況下で、世界中の耳目が集まる北京五輪が自分たちの運動を世界にアピールする絶好の機会と考える者が出てくるのは当然のことと言える。

今の中国で、かつてのソ連のような「崩壊」が起きるとは考えにくい。だが、強制・強圧・強弁によって国内の矛盾・対立を覆い隠しつつ開催するオリンピックが契機となり彼の国に大激震が走る可能性は大いにある。

|

« あこがれの車 | トップページ | キーボード再交換 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/220529/40887764

この記事へのトラックバック一覧です: チベット問題:時間との戦い:

« あこがれの車 | トップページ | キーボード再交換 »