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2008年5月14日 (水)

将棋世界08年6月号から:“幻の4二角”、連珠≠五目並べなど

0806_3雑誌『将棋世界』08年6月号で第35回将棋大賞が発表された。既に日本将棋連盟の公式サイトに表彰式(08年4月18日)の模様が掲載されており旧聞には属するが、今回は故真部一男九段の“4二角”が升田幸三特別賞を受賞していたので、その選考過程を知りたいと思いページを繰ってみた。

真部九段に対しては、将棋大賞中「東京将棋記者会賞」がその長年の執筆活動に対して贈られることが決まっていたところ、さらに、あの“4二角”についても「名局賞」の候補に上げられたようだが、「名局賞は両対局者が作り上げた棋譜を評価するもの」であるということで選から漏れた。だが何も贈らないというわけにもゆかず、「遠見の角」という升田好みの手でもあることから升田幸三特別賞となったようだ。

この“真部の幻の4二角”に関しては、私のブログでも(08年1月7日に)取り上げてからかなりの日数を経てはいるものの未だにアクセスが耐えない。如何に将棋ファンの関心が高いかの証左だと思う。またそれが指し手として優れていること、“指されなかった手”であること、真部九段の通夜の日に“偶然にも”大内延介九段が実際に指したことなどドラマティックな要素を含んでおり、見せるプロ将棋の観点からも妥当な選考結果だったと思う。

■今月の『将棋世界』では日本将棋連盟と将棋世界編集部が連名で、日本連珠社連盟に宛てた「謝罪文」が掲載されていた。内容は『将棋世界』08年3月号に掲載された羽生善治二冠のインタビュー記事中、「連珠は(コンピュータに)解明された」という趣旨の羽生二冠の発言が事実誤認であったというもの。実は羽生二冠は「五目並べは(コンピュータに)解明された」と言っていたのに、将棋世界編集部が“五目並べ”を“連珠”と替えて記事にしてしまったのが真相。羽生二冠は「五目並べと連珠の違いをよく認識」しており、連珠についてはコンピュータによる解明が完了していないことも承知していたという。

この文を読んで驚いた。連珠と五目並べは同じものではないのか! 調べてみると(参考)五目並べは、かなり以前に先手必勝が分かっており、競技として成立させるため連珠では、その先手有利に制限を加えるルールを定めていることが分かった。世の中には知らないことがまだまだある。

■知らないことといえば、同じ『将棋世界』の米長邦雄会長のインタビュー記事の内容もその一つ。今年の12月から5年間の移行期間を経て、すべての社団法人が「公益社団法人」か「一般社団法人」のいずれかに分かれることになるとのこと(参照)。公益社団法人として認められれば従来同様、税制上の優遇措置を得られるが、一般社団法人になると社会的信用の低下も免れない。そうなると公的機関の協力の下に行なわれている「倉敷藤花」のような一部タイトル戦やアマ将棋大会、子ども将棋大会の存続が困難になる。

ただ米長会長の発言からは、連盟所属棋士たちの間ではまだこの問題への認識があまり高くはないようで、5年間の移行期間はあるものの会長としては決してのんびりかまえてはいられないという危機感を抱いているようだ。

昔から、個性が強く、それぞれに一家言ある将棋指しはなかなか意見がまとまらず、多少の内紛や分裂を起こさないと大同団結に至らない“伝統”があった。今、森内-羽生の名人戦などで世間の耳目を集めてはいるが、長期的には将棋人口は減少傾向にある。プロ棋士たちも、将棋という優秀なゲームの担い手として自覚を持ち、将棋の普及・発展を目指してほしいものである。公益社団法人格の取得というのは言ってみればそのスタートラインであり、その先には世界への普及という壮大なテーマも控えている。端歩を付き合っている段階でもめている場合ではない。

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