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2008年5月16日 (金)

将棋:羽生時間切れ負けの真相

日本将棋連盟が、先日の大和証券杯最強線における羽生善治二冠の時間切れ負けに関する調査結果を発表した(参照)。

この報告を読んで気になったのが、「今後はキーボードやマウスを着手とは関係なく触っても別の画面が表示されないようにする等、対局に支障が出ない環境整備に努めてまいります」の件。対戦相手であった渡辺明竜王は自宅で自分のPCを使用していたが、羽生二冠は将棋会館で連盟が用意したPCを使って対局した。そのPCで「対局に支障が出ない環境整備」が為されていなかったのかと少々唖然とした。

また、渡辺竜王が自身のブログで「ウイルスバスターを停止させるのは気が付きませんでした。確かに、突然アップデートや検索をするので残り数秒でやられたら、かなり危険です。次は忘れないようにしなくては」と書いているが、これも別の大きな問題を示唆している。

というのも、VPNなどの専用回線を介せば、ネット対局用アプリケーションだけを使用する限り、ウイルスバスターなどのアンチウィルスソフトは必要ないはずだ。連盟や主催者側がその辺りの説明を対局者に対して行なっていなかったとしたら、それは大きな手落ちだろう。また専用回線でないとすれば、それはそれで大きな問題だ。直ちに(というよりは最優先課題として)専用回線へ移行すべきである。

さらに、今後は対局場所にかかわりなく、公式戦では連盟貸与の専用マシンを使用することで統一すべきだろう。個人所有のPCでは、自動或いはバックグラウンドで動作する常駐ソフトがインストールされているのが常であり、秒読み中にそうしたアプリケーションが動き出したら、如何に使い慣れた自前のPCでも即座に対処するのは困難に違いない。最後にもう一つ、ネット対局のためのPC操作の講習を全棋士対象に実施することも必要だろう。

今回は羽生と渡辺という人気棋士同士の対局で、しかも優勢と思われた羽生が、棋士人生初の反則負けを喫するという波乱の幕切れとなった。観戦していた一ファンとしては残念至極ではあるが、これを契機にネット対局の環境がより安全で安定したものとなるのであれば、今回のトラブルも無駄ではなかったことになる。

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コメント

なんだか、将棋の話とは思えない流れですね。
伝統の世界と新しい技術のインターフェースで展開する、端から見ればいくぶん滑稽感も漂う一幕です。

投稿: baldhatter | 2008年5月17日 (土) 01時24分

ITに詳しい方から見れば少々「滑稽」かもしれませんね。将棋という伝統的技芸に与かる日本将棋連盟が多少「古い」のはやむを得ないのですが、スポンサー側(大和証券)にはアドバイスできる人材が大勢いるはずです。契約の関係上、スポンサーといえど運営にはおいそれと口出しできないのか…。ただ今回羽生という棋界一のスターが関係したことで、環境整備が一気に進むのではないかと期待しています。

投稿: Jack | 2008年5月17日 (土) 11時27分

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