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2008年5月21日 (水)

無事是…

大相撲夏場所で久しぶりに大関の琴欧洲が元気だ。初日から昨日(08年5月20日)まで10日間勝ちっぱなし。横綱白鵬が敗れたため単独トップに立った。

琴欧洲好調の理由は右膝がかなり回復したためではないだろうか。今でもテーピングでがっちり守ってはいるが、蹲踞のときの動きも滑らかで明らかに以前とは違う。相撲内容にも、膝をかばっている様子は見えない。元々力のある力士であり、怪我さえ治れば優勝のみならず、横綱も不可能ではない。

「無事是名馬」とは、競馬好きだった作家菊池寛の言葉だと言われているが、競走馬に限らず、「無事」であること、即ち怪我をしないということはスポーツ選手にとってきわめて重要なことである。たとえばサッカーの場合、小さな頃から注目され将来はJリーガーだ、日本代表だと嘱望されながら、中学或いは高校年代に腰や膝を痛めサッカーを諦めざるを得なくなる選手は少なくない(その原因の一つが固い土のグラウンドでの試合が多いためだと言われており、そのため日本サッカー協会では芝のグラウンド普及に力を入れている)。

身体への物理的負荷が極めて大きな相撲の場合は、「無事是名力士」というのが特に顕著のような気がする。たとえば今の両横綱、朝青龍と白鵬は力士生命にかかわるような大きな故障を経験したことがない。逆に、把瑠都のように力がありながら、怪我のため低迷を余儀なくされている力士は数多い。

外国人力士が増え、力士の大型化が進んでいる現在、相撲界も伝統の上にあぐらをかいているのではなく、食事(ちゃんこ)やトレーニング(稽古)を科学的な観点から見直してゆくべき時期に来ているのではないだろうか。

ところで、菊池寛の言葉といわれる「無事是名馬」は禅宗の「無事是貴人」がその元となっているようで、禅の「無事」は俗に使われる場合の「達者」というのとはまったく違う意味を持っているそうだ(参照)。

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