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2008年7月11日 (金)

才能は才能を知る:ユンディ・リーと小澤征爾


「クラシック音楽に関して日本は世界最大のマーケットだが、世界的に活躍している日本人音楽家は小澤征爾、五島みどりなど4、5人にすぎない。一方、中国には現在ピアノのレッスンを受けている者だけで2,000万人もいて、そうした環境から優れた才能が次々と登場しており、今世紀の半ば頃には世界的音楽家はみな中国人になってしまう」

これは、過日テレビ(TV東京『週間ニュース新書』08年6月28日)に出演した際の音楽家三枝成彰氏の発言の骨子である。その三枝氏が名前をあげた中国の才能の一人がユンディ・リー(李雲迪)。

1982年10月生まれで現在25歳のユンディは2000年ショパン国際ピアノ・コンクールで、スタニスワフ・ブーニン以来15年ぶりの優勝者となった。優勝時の年齢18歳は、同コンクール史上最年少である。

三枝氏が出演したテレビ番組から4日後の7月1日、NHK hiで『征爾とユンディ』(原題:The Young Romantic)というカナダのテレビ局が制作した番組が放送された。番組は、ユンディ・リーの才能を高く評価する小澤征爾のベルリン・フィルとユンディ・リーとの初共演に向けてのリハーサル風景を縦糸に、両親など関係者が語るユンディの生立ちや子どもの頃の思い出といったエピソードと、香港でのロックコンサートへの出演など彼の活躍の様子を横糸に描いたものである。

ことクラシックに関しては、私は相当に偏った嗜好があり、たとえば交響曲は苦手である。なのでクラシック音楽について語るつもりはないし、またユンディ・リーの才能がどれほどのものかも皆目見当がつかない。ただ番組でかなりの時間を割いて紹介された練習の様子や、小澤征爾とのやり取りなどを見聞きしていると、彼の中に豊かな“伸び代”のようなものがあることが感じ取れた。

冒頭のビデオはそんな私でも知っているリストの“ラ・カンパネラ”(この映像は上記のテレビ番組から取ったものではない)。実はこの曲、ぴんぴんと跳ねるような高音部が耳障りなことが多いのだが、ユンディ・リーの演奏はその高音が柔らかい。こういうポピュラーな曲は演奏者の個性の違いというのが比較的分かりやすく、私はユンディの演奏に好感を覚えた。

さて余談だが、ユンディ・リーは少々太りやすい体質のようで、ショパン・コンクールで優勝した当時の華奢な体つきは今は影をひそめ、あごの辺りがふっくらとしている。ピアノの演奏に体格が影響するのかどうかは分からないが、ルービンシュタインやホロヴィッツなどは痩躯だったし、世界的なピアニストに肥満体はいないのではないだろうか。

番組では、ユンディが“美食家”ではないかと思わせる映像や発言もあり、25歳という年齢を考えるとこれからは節制が必要になってくるだろう。小澤征爾とは個人的にも仲がよいようだが、あまり一緒に焼肉屋には行かない方がよいようだ。

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