« 梅雨明け | トップページ | 毎日WaiWai問題 »

2008年7月20日 (日)

PowerPointとTRADOS

TRADOSがらみの話題として、ふと思い出したことがあったので書いておく。

私が最初に購入したTRADOSはV5.0で、直ぐにV5.5になった。今考えてみると、TRADOSに対する需要がどの程度かといったことを慎重に考慮して買ったのではなく、デモ版を使ってみて、訳抜けをしやすいという自分の欠点補正にちょうどいいぐらいの気軽な気持ちで買ったような気がする。

その頃、ある翻訳会社から、毎月大量のPowerPointの仕事を請けていた。内容としては、主に社員教育用の教材・資料で、私が比較的得意とする分野であった。プレゼンテーションの表現というのは英語も日本語も特殊なため、誰にでも任せられるというものでなく、その会社でもPowerPointの仕事を頼める翻訳者はごく限られており(また、PowerPointそのものを持っている翻訳者も少なかった)、対応できる翻訳者に仕事が集中していた。

当時、PowerPointの翻訳は原文ファイルに上書きする方法が主流だったが、これがレイアウトやフォントの処理など結構厄介な作業を伴う。レイアウトが複雑なスライドでは、翻訳すべき箇所が必ずしも一目で分かるわけではなく、翻訳後、スライドショーを何度も実行して確認しなければならなかったり、また小っちゃなオブジェクトが消えてしまったり、アニメーションなどの設定が翻訳作業の過程で壊れてしまうといった事故も生じ、翻訳者にとっても翻訳会社のコーディネーターにとってもかなりストレスの溜まる仕事だった。

TRADOS V5.xにもPowerPoint(PPT)ファイルに対応したT-Window for PowerPoint(だったと記憶している)というモジュールがあったのだが、これが実用に堪えるようなものでなく(実は使用したのがほんの数回で詳細は覚えていないのだが、動作が遅かったと記憶している)、結局はPPTファイルに直接書き込んだ方が速いし、正確だった。

それがV6.0かV6.5辺りでTagEditorがPPTファイルに対応するようになったことから、レイアウトやフォントなどを気にせず翻訳ができるようになり随分と楽になった。今ではPPTファイルの翻訳にTagEditorは必需品となっている。

ローカライゼーション分野ではTRADOSは必須のソフトだが、それ以外にも、このPowerPointをはじめ、FrameMakerやInDesignといった特定のアプリケーションの翻訳ではTRADOS(TagEditor)が必要アイテムとなっている。ただ、これらアプリケーションの翻訳を経験した範囲で判断すると、TRADOS(TagEditor)を使用するのは「過去の翻訳資産の活用」という面よりも、アプリケーションのタグを完全に維持したままで、翻訳(原文→訳文の置換)が可能であるというメリットが大きいことから使われているような気がする。少なくとも私がTagEditorを使用しているのは、PowerPointに上書きするよりは作業がしやすいからである。

|

« 梅雨明け | トップページ | 毎日WaiWai問題 »

翻訳」カテゴリの記事

コメント

私はPptの翻訳、けっこう好きです。なので、わりとよくやります。というわけで、自作して公開しているSimplyTermsに、Pptからテキストを抜き出し、テキストで翻訳したあと、書き戻す機能を組みこんであります。Tradosを使ってる人で、TagEditorよりも快適だからとSimplyTermsでテキストを抜いてTradosで翻訳し、SimplyTermsで書き戻すという人もおられます。

テキストにしちゃうのでフォントの問題は発生しちゃいますが。翻訳作業そのものが快適になるので、そのくらいは小さな問題だと考えてます。ページあたりで編集費ももらいますし。

ついでに、Excelも同じパターンでやります。っていうか、私はWordも同じパターンで、SimplyTermsでテキストを抜いてテキストで翻訳し、SimplyTermsで書き戻すという作業をします。テキストボックスとか脚注とかも一度に抜けるので、テキストにしたほうが一定の作業手順になりますんで。

投稿: Buckeye | 2008年7月20日 (日) 19時23分

>Tradosを使ってる人で、TagEditorよりも快適だからとSimplyTermsでテキストを抜いてTradosで翻訳し、SimplyTermsで書き戻すという人もおられます。

うーん、SimplyTerms、かなり気になってきました。今度機会があったら使わせていただこうかと思っています。

投稿: Jack | 2008年7月20日 (日) 21時11分

基本的には自分が使いたい機能を実装するって形で作って、せっかく作ったんだから公開しちゃいましょうってことなんですが、だからといって、みんなが自分と同じ使い方をする必要はないと思ってます。一部でも使いたい機能があるなら、好きなように使ってもらえばいいんで。

私と違う使い方をする人から、「こういう機能が欲しい」と要望が出たときには、実装するかもしれないししないかもしれないし、です。簡単に実装できればしちゃう可能性が高いし、多くの人の役に立ちそうなら実装する可能性がそれなりにあります。難しいものだったりすると、そのうち……とか言ってるうちに時間がすぎちゃうおそれもあります。

投稿: Buckeye | 2008年7月20日 (日) 21時46分

PowerPoint 翻訳の発注はあまりないのですが、あるとすれば、IT 企業のプレゼン資料(製品発表会とかイベント)がほとんどです。

で、これ好きじゃないんですよね。ファイル形式云々ではなく、基本的には営業トークばかりで内容が空疎なことが多いから ^^;

ppt ファイルを TagEditor で直接扱う方法は、私も 5.0~5.5 のときさっそく試したのですが、当時は会社のマシンが非力だったせいか、処理が遅すぎて使い物になりませんでした。その後はあまり試していません。

投稿: baldhatter | 2008年7月21日 (月) 11時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/220529/41912881

この記事へのトラックバック一覧です: PowerPointとTRADOS:

« 梅雨明け | トップページ | 毎日WaiWai問題 »