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2008年8月 6日 (水)

「入市被爆者」

最近になって初めて耳にした言葉がある ― 入市被爆者

原爆投下時に広島・長崎にいて、初期放射線の影響を受けた者を「直接被爆者」といい、これに対し「入市被爆者」とは、原爆が投下された後に広島・長崎に入り、残留放射線をあびた者をいう。

この言葉、いつ頃から使われるようになったのだろうか。ネットで調べた限りでは2005年に作成された資料に使われているのが最も古い例だった。1994年(平成6年)に「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」などの後を受けて制定された「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」にも、第1条2項に「原子爆弾が投下された時から起算して政令で定める期間内に前号に規定する区域のうちで政令で定める区域内に在った者」と規定されているが、「入市被爆者」という言葉は使われていない。

実は、かつて私の身近にも「入市被爆者」がいた。その人(男性)は家族を探すために、原爆投下から数週間後に広島市内に入ったそうである。あまり多くを語ることはなかったが、その時目にした光景は想像を絶する凄惨なものだったという。はたして原爆の影響なのかどうかは分からないが、肺ガンで20年以上前に他界したその人は「入市被爆者」という言葉を使ったことはなく、公的な援助を受けることもなかった。広島で20万人以上、長崎で10万人以上といわれる原爆の犠牲者だが、そうした入市被爆者でありながら被爆者としての認定を受けていない人、受けられない人などを加えればその数ははるかに多くなるに違いない。

戦後63年、入市被爆者という言葉が急に使われるようになったのは、そうした人々に対する認識がようやくたかまってきたということなのだろうか。その多くが70代に入った入市被爆者で今なお認定を受けられない人が少なからずいるという。政府は法律の柔軟な運用などにより、一刻も早く援助の手を差し伸べるべきだろう。

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