将棋:第56期王座戦第3局羽生が勝ち17連覇
昨日(08年9月30日)、新潟県南魚沼市で開催された第56期王座戦第3局で羽生善治王座が挑戦者木村一基八段を171手で降し、3-0の成績でタイトルを防衛。羽生は1992年に初挑戦で当時の福崎文吾王座からタイトルを奪って以来17連覇を達成した。
その間戦った相手は下記の通り。
【期】 【年】 【対戦相手】【勝敗】
40 1992 福崎文吾 3-0
41 1993 谷川浩司 3-1
42 1994 谷川浩司 3-0
43 1995 森 雞二 3-0
44 1996 島 朗 3-0
45 1997 島 朗 3-0
46 1998 谷川浩司 3-2
47 1999 丸山忠久 3-1
48 2000 藤井 猛 3-2
49 2001 久保利明 3-1
50 2002 佐藤康光 3-0
51 2003 渡辺 明 3-2
52 2004 森内俊之 3-1
53 2005 佐藤康光 3-0
54 2006 佐藤康光 3-0
55 2007 久保利明 3-0
56 2008 木村一基 3-0
ご覧の通り、3-0で勝ったのが今回も含め合計10期。何ともすごい記録である。
さて今回の第3局、「素人の目」から見たハイライトは、143手目の▲5四馬と6三にいた馬で後手の歩を取り王手をかけたところ(図1)。
この馬は取れない。△5四同玉▲5五飛△4四玉▲5四金までの即詰み。よって、後手木村は△3五玉と逃げたが、さらに▲3八飛打の王手馬取りの痛打。プロの見方は「これで先手がよいとは限らない」と厳しいものだったが、素人目にはここで勝負が決まったと思った。
この後、後手玉は2四~1四~1三と追われ、最後は▲2一銀打で必死となった(図2)。
この図2で後手は投了するだろうと思ったのだが、意外にも木村は△8七桂不成と指した(図3)。昔なら、「棋譜を汚す」と非難されてもおかしくない手だ。
おそらく木村は口惜しかったのだろう。羽生にはここぞというところで勝てない。前回の第2局では絶妙の勝負手を見落とした。竜王戦挑戦者決定戦でも最終局まで持ち込みながら勝てなかった。そうした過去の経緯が脳裏に去来し思わず△8七桂不成と指してしまったのだろう。それは羽生が応手を誤るかもしれないという万に一つもあり得ない僥倖を頼んだのではなく、口惜しさ、ふがいなさの思いのイナーシャが大きく、指し手を止められなかったのではないだろうか。その思いがいつか結実することを祈りたい。
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