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2008年10月11日 (土)

将棋:第67期順位戦B級1組成績ランク(7回戦)

昨日(08年10月10日)、第67期将棋B級1組順位戦の7回戦が行われた。

勝敗は次の通り。

   【勝】           【負】  
▲屋敷伸之九段   △山崎隆之七段
△行方尚史八段   ▲井上慶太八段
▲渡辺 明竜王    △森下 卓九段
▲久保利明八段   △畠山 鎮七段
▲高橋道雄九段   △阿部 隆八段
△堀口一史座七段  ▲北浜健介七段

この結果、成績順位は次のようになった(前回の成績順位)。

成績
順位
氏名/段位B級1組
順位
成績前回
順位
順位
変動
備 考
1 久保利明八段 1位 5勝1敗 1 -  
2 杉本昌隆七段 11位 4勝2敗 4 今回抜け番
3 屋敷伸之九段 13位 4勝2敗 5  
4 渡辺明竜王 4位 4勝3敗 6  
5 阿部 隆八段 5位 4勝3敗 2  
6 井上慶太八段 9位 4勝3敗 3  
7 高橋道雄九段 3位 3勝3敗 8   
8 行方尚史八段 2位 3勝4敗 12  
9 山崎隆之七段 12位 3勝4敗 7  
10 畠山 鎮七段 6位 2勝4敗 9  
11 北浜健介七段 8位 2勝4敗 10  
12 森下 卓九段 10位 2勝4敗 11  
13 堀口一史座七段 7位 2勝5敗 13 -  

1位の久保が今回も勝ち、5勝目一番乗りを果たした。あと1勝すれば指し分け以上が決まり、残留もほぼ確定となる。ただ久保の頭には残留などということは欠片もないだろう。目指すはA級復帰である。

久保のあとには4勝が5人。その内、2敗が2名、3敗が3名。これに3勝3敗の高橋を加えた7名が昇級候補と言ってよいだろう。ただ過去には8勝4敗で昇級した例もあり、12番目の森下まで可能性はある。

【素人の目】
今回は▲渡辺竜王-△森下九段戦に注目してみた(渡辺竜王の自戦感想記はこちら)。この2人なら矢倉は当然で、先手3七銀戦法に対し、後手は総矢倉の堅陣を組み、受けて立つ展開になった。55手目に先手が3五歩と突っかけて本格的開戦に(図1)。

B11  

 

 

 

 

 

 

ネット中継によると、この局面は過去に19局あり、渡辺は先手を持って2戦して2勝。一方の森下にとっては初めての局面。しかしそこは“森下システム”と戦法に名を残すほどの棋士である、後れを取ることはないだろう。

上図から9手進んで、64手目に後手が1六歩と端歩を進めたのが下図。

B12  

 

 

 

 

 

 

これは先日の王座戦第3局▲羽生善治王座-△木村一基八段戦と同一局面。ここで羽生は▲4六角と指したが、渡辺は▲2六桂の新手を繰り出した。この段階で渡辺51分に対し、森下1時間59分と消費時間に大きな開きができていて、森下が苦労している様子が分かる。

この後は渡辺の攻め、森下の受けと攻守がはっきりと別れる展開になり、119手目に渡辺に好手が出る。▲1二角打がそれ(図3)。

B13_2  

 

 

 

 

 

 

私はこの手を見て渡辺の勝ちだと思った。この手は次に▲5七角と敵の歩を払う手が詰めろになる。無論、プロから見れば形勢は決定的には開いていないのだろうが、渡辺の駒には“勢い”が感じられた。

それにしても矢倉を得意とする森下が良いところなく敗れ去った。渡辺の誘導に乗って手を進めて行った様子から、何か対策があるのではないかとも言われたが、終ってみれば新手らしきものはなし。用意してはあったものの、その前に渡辺に新手を出され、そのまま押し切られてしまったのだろうか。或いは、最終的には1時間半以上の差がついた消費時間から推測されるように、森下には特段の準備がなかったのだろうか。

B14  

 

 

 

 

  

 

図4は投了局面。次は▲2三竜で詰み。延命措置を施そうにも手段がない。といって先手玉には王手すらかからない。一手勝ちが当たり前のプロの将棋では珍しい大差となってしまった。これで渡辺は4勝3敗となり昇級争いに踏みとどまった。森下は2勝4敗で、10位という順位を考えるとこれ以上の負けはどうしても避けねばならない。

B級1組の次回対局(8回戦)は10月31日である(抜け番は渡辺明竜王)。

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昨日の対局の組み合わせと結果は以下の通りだった。(左側が先手)屋敷伸之九段(4勝2敗)○-●山崎隆之七段(3勝4敗)井上慶太八段(4勝3敗)●-○行方尚史八段(3勝4敗)渡辺 明竜王(4勝3敗)○-●森下 卓九段(2勝4敗)高橋道雄九段(3勝3敗)○-●阿部 隆八段(4勝3敗)久保利明八段(5勝1敗)○-●畠山 鎮七段(2勝4敗)北浜健介七段(2勝3敗)●-○堀口一史座七段(1勝5敗)<杉本昌隆七... [続きを読む]

受信: 2008年10月12日 (日) 15時04分

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