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2008年11月13日 (木)

将棋:第21期竜王戦第3局1日目

将棋の第21期竜王戦は今日(08年11月13日)から岩手県平泉で第3局が始まった。

70年以上に及ぶ将棋タイトル戦の長い歴史でも、3連敗後の4連勝によるタイトル防衛ないし奪取という逆転劇は一度もない(囲碁には過去5回ある)。

また、これまで数々のタイトルを戦ってきた挑戦者の羽生善治名人は出だし3連勝を21回経験しており、いずれもタイトル防衛・奪取に結び付けている。そうした過去の記録からすると、2連敗を喫している渡辺明竜王としてはどうしてもこの第3局で一本入れておきたいところだ。

第3局はその渡辺が先手で戦形は後手一手損角換りに。今プロの間でもっとも多く指されている戦法である。

2勝のゆとりか羽生の積極的な指し手が目立つ。28手目に△5五角打と天王山に角を据え、攻めの姿勢を示す。34手目△3三桂に先手が6八にいた玉を7九に引いて、前例のない戦いへと入った(図1)。

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対局前のインタビューで渡辺は「どんな戦いになるか?」の問いに「第1局のような力戦になるのではないか」と応えていたが、どうやら今回は定跡形の将棋は想定していなかったようだ。おそらく両者共に自信のある将棋なのだろう、指し手が速い。図1はまだ午後2時前の局面である。

しかもここから△3六歩打▲5六歩△3七歩成▲5五歩△2八と▲5四歩△3八と(図2)と大駒を取り合う激しい展開に。

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△3八と(42手目)では、後手は先手の桂香を取りに行くものとばかり思っていた。ところが羽生の選択は駒得ではなく、3八とというスピード重視の一手。これはもう終盤の感覚である。ここから▲3八同金△4九飛打▲6八玉(図3)と進んで後手の羽生が次の手を封じた。

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おそらく羽生の封じ手は「△4五桂」だろう。玉のこびんが開いて、常に1五への角打に気をつけなければならないが、2九の桂を取る手と比較した場合、次に△5七銀打から△8九飛成の詰みがあり、こちらの方が効率で勝る。

この局面で封じた羽生は楽だろう。それに対して渡辺は第1局に続いて、またも封じ手番を相手に取られた形になった。ちょっと寝苦しい夜になるかもしれない。

ところで今回、竜王戦の中継サイトが意欲的な試みをしている。それは従来の「本譜手順」だけの紹介ではなく、「変化手順」も盤面で再現できるようにしたこと。中継サイトの「棋譜plus」をクリックすると見ることができる。

無論、今回が初めてということもあり、改善の余地はいろいろある(たとえば本譜手順と変化手順では、背景色を変えるなどして一目で区別がつくようにした方がよい)。が、こういう形でネット中継がもっと親しみやすいものになれば、「有料化」も含めて、将棋伝達の有力なメディアになっていく可能性がある。関係者の方々の努力に敬意と謝意を表する。

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