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2008年11月 3日 (月)

将棋:第67期順位戦B級1組成績ランク(8回戦)

先週の金曜日(08年10月31日)、第67期将棋B級1組順位戦の8回戦が行われた。

勝敗は次の通り。

   【勝】           【負】  
△杉本昌隆七段   ▲山崎隆之七段
△北浜健介七段   ▲阿部 隆八段
▲高橋道雄九段    △堀口一史座七段
▲行方尚史八段   △久保利明八段
△畠山 鎮七段   ▲森下 卓九段
▲井上慶太八段    △屋敷伸之九段

この結果、成績順位は次のようになった(前回の成績順位)。

成績
順位
氏名/段位B級1組
順位
成績前回
順位
順位
変動
備 考
1 久保利明八段 1位 5勝2敗 1 -  
2 杉本昌隆七段 11位 5勝2敗 2 -  
3 井上慶太八段 9位 5勝3敗 6  
4 高橋道雄九段 3位 4勝3敗 7  
5 渡辺 明竜王 4位 4勝3敗 4 今回抜け番 
6 屋敷伸之九段 13位 4勝3敗 3  
7 行方尚史八段 2位 4勝4敗 8   
8 阿部 隆八段 5位 4勝4敗 5  
9 畠山 鎮七段 6位 3勝4敗 10  
10 北浜健介七段 8位 3勝4敗 11  
11 山崎隆之七段 12位 3勝5敗 9  
12 森下 卓九段 10位 2勝5敗 12 -  
13 堀口一史座七段 7位 2勝6敗 13 -  

将棋の順位戦は気候が寒くなるにつれて熱くなってくるのが通例である。今年も残り2ヶ月となり、日に日に気温が下がってゆく中、棋士たちの戦いはますます熱を帯びてくる。

中でも各自の対局数が12局と順位戦中最多のB級1組は8回戦を迎え、いよいよ佳境に入ろうとしている。そのB1で1敗者がいなくなった。ただ1人、1敗を守っていた久保利明八段が、同じ今期A級からの降格組である行方尚史八段に敗れ2敗となったためである。

残留・降級を予測する上で重要な指標となる勝ち数に注目すると、今回5勝目を上げた杉本昌隆七段と井上慶太八段は、既に前回5勝を上げた久保と共に残留がほぼ決まったと言えるだろう。

またこれも前回書いたことだが、昇級は4敗までなら可能性がある。今回5敗目を喫した山崎隆之七段と森下卓九段は昇級争いから脱落したと判断していいだろう。前回は12名だった昇級候補が10名に絞られたことになる。これからは1戦ごとにその数が減ってゆくに違いない。

一方、降級の方も徐々に現実味を帯びてくる。成績順位が下位の者は、1つでも勝ち星を増やしたいところである。現在下位にある3人の中では山崎が森下、堀口一史座七段との直接対局を残している。順位争いの当事者に勝つことは出入りで2つの星の差に相当する。山崎にとっては次回の対堀口戦、その次の対森下戦が正念場となりそうだ。

だた山崎に関しては一つ気になることがある。それは終局の早さ。

1回戦 対阿部八段戦 勝ち 23:58 (4)
2回戦 対行方八段戦 負け  22:34  (1)
3回戦 対高橋九段戦 負け  21:40  (1)
4回戦 対畠山七段戦 勝ち  20:41  (1)
5回戦 対北浜七段戦 負け  21:52  (2)
6回戦 対井上八段戦 勝ち  23:04  (1)
7回戦 対屋敷九段戦 負け  22:39  (1)
8回戦 対杉本七段戦 負け  21:55 (1)

これが今期順位戦における山崎の終局時間である。最後の数字は同日に行われたB級1組順位戦中で終局が何番目に早かったかを示している。ご覧のように全8局中、実に6局がその日一番最初に終った将棋となっている。また、終局が午前0時を過ぎたことが一度もない。

さらに各局の総手数と山崎の消費時間を追記するとこうなる。

1回戦 対阿部八段戦 勝ち 23:58 (4) 153手 5時間2分
2回戦 対行方八段戦 負け  22:34  (1) 109手 3時間55分
3回戦 対高橋九段戦 負け  21:40  (1) 114手 3時間35分
4回戦 対畠山七段戦 勝ち  20:41  (1) 76手   3時間30分
5回戦 対北浜七段戦 負け  21:52  (2) 99手   4時間0分
6回戦 対井上八段戦 勝ち  23:04  (1) 107手 5時間18分
7回戦 対屋敷九段戦 負け  22:39  (1) 71手  4時間59分
8回戦 対杉本七段戦 負け  21:55 (1) 94手  3時間47分

7局が120手以下の短手数で終っている。また勝局も敗局も秒読みになったことがない。それで成績が伴うのであれば問題はない。事実、前期のB級2組では秒読みになったのは2局だけだったが、見事昇級を果たしている。

しかし、降級点のないB1はB2までとは将棋の厳しさが違うと、昨期B級1組で苦戦した渡辺明竜王も述べている。山崎も“B1の将棋”に少しでも早く慣れなければならない。

そうした山崎の対局の中で少々異色なのが第1回戦である。手数も長く、消費時間も5時間を超え、終局時刻も午前0時直前―まさにB級1組に上がってきた若武者の初戦に相応しい数字であり、観戦記によれば山崎の逆転勝利だったそうである。

だがその将棋で“事件”が起きていた。雑誌『将棋世界』08年8月号の『関西棋界みてある記』から、その“事件”にふれた部分を引用する。

 その(注:同時に行われたB級1組の渡辺竜王-井上八段戦のこと)2時間半後に終ったのが、隣の阿部-山崎戦。こちらは山崎の逆転勝ち。
 階下のモニターで投了を確認してから、御上段の間まで行くのに2分足らず。対局室に入ると何かがおかしい。
 すると阿部は、やおら立ち上がり、視線を飛ばして「銀打てば終ってたやろ」。そう言い放つと、張りついた空気を残したまま去って行った。
 感想戦をやるかやらないかは自由だ。ひとり残され、駒を静かに片づける山崎。勝ったはずなのに、その表情が深刻なくらい沈んでいたのがとても気になった。

いったいその時何が起こったのか。順位戦ネット中継の解説には「阿部は(120手目△4六歩で)『銀取って△5七銀(△7九金▲同玉△5七銀)で勝ちだったでしょう』と言い残し、ほとんど感想戦をせずに立ち去った」とある。すなわち、阿部は(この将棋では阿部が後手番だった)、勝ち将棋を見落としで負けた自分に腹を立てて立ち去ったということで、『将棋世界』の記述に比べると、言葉遣いも穏やかである。だが、もしそうなら山崎が「深刻なくらい沈」むようなことがあるだろうか。真相は分からない。ただ一つ確かなのは、その対阿部戦とその他の7局とでは、山崎の戦い方(手数、消費時間)が明らかに違うということである。

それが何を意味するのか、順位戦での山崎の苦戦に関係するのか…私は関係していると考えている。

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