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2008年11月15日 (土)

“将棋を指す存在”に

将棋の第21期竜王戦七番勝負は既報の通り挑戦者羽生善治名人が3連勝とし、タイトル奪還と共に、初代永世竜王位ならびに七大公式戦のすべてで永世称号を獲得する“永世七冠”まであと1勝とした。

これに対し、3連敗で防衛に黄信号が灯った渡辺明竜王だが、敗戦から一夜明けた今日(08年11月15日)律儀にもブログを更新。1日目を指し終えた後になって、封じ手から2手目に現れる局面(下図)が予想以上に先手不利であることに気づき眠れぬ夜をすごしたことを記している。

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先手陣の壁銀がひどいのに対して後手陣は居玉ながら△8二飛の横利きが抜群なのと二枚の金が働いていて見た目以上に固い格好です。
竜王戦は今年で5回目になりますが2日目朝から大きな差というのは初めてで、辛かったです。
3連敗と厳しいスコアになってしまいましたが第4局も頑張ります。

渡辺のコメントは上記を含め全部で300字に満たない。いつもなら、指し手の意味、局面の判断など、自戦について的確で分かりやすい解説をする渡辺だが、さすがに今回は元気がない。

「勝敗は兵家の常」とは言うものの、やはり24歳の青年に大一番での3連敗は相当にこたえているのだろう。現実問題として、防衛はかなり難しくなったと言える。だが、そうした状況で一将棋ファンとして言えるのは、(月並みではあるが)将来につながる将棋を指してほしいということである。

今回の七番勝負は、将棋ファンのみならず、あまり将棋に関心のない人たちの注目も集めている。そのためか、相手が相手だけに気負いがあるのか、渡辺の肩に力が入りすぎているような気がする。また4期連続で竜王位を保持してきたという自負からか、“受ける気持ち”が勝っているようにも見える。

そうではなく、もっと“将棋に挑む姿勢”で盤に向うべきではないか。防衛だとか、5連覇だとか、永世位だとかということではなく、純粋に“将棋の戦い”に徹する・集中する―突き詰めて言えば、自分が渡辺明という名の人間であることも忘れ、“将棋を指す存在”に成りきる―その境地をめざすこと、それが今必要なのではないか。

一局の盤上には“名人”も“竜王”もいないし必要もない。いるべきは“将棋に勝つ”という固い信念の下に“よりよき手”を探し求め、悔いなく決断する存在である。そうした存在になった時、結果として“将来につながる将棋”が現出するだろうし、それは渡辺自身の将来のためとなり、プロ将棋界の将来のためとなり、ひいては将棋の将来のためになるに違いない。

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