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2009年1月14日 (水)

米長会長のガン

将棋の永世棋聖で日本将棋連盟会長である米長邦雄氏が自身のサイト『米長邦雄の家』で、前立腺ガンを患っていることを公表した。

サイトに設けられた「癌ノート」によると、前立腺ガンが見つかったのは昨2008年春だったというから、間もなく1年が経つ。

08年12月、あの世間の耳目を集めた第21期竜王戦第7局の直前に「高線量率組織内照射」という治療を受け、現在PSA値については検査の結果を待っているところである。

「高線量率組織内照射」は比較的新しい治療法のようで、前立腺に直接針を刺し入れ、その針を通して放射線を組織内に照射してガン細胞を退治するというもので、前立腺ガンに関しては「根治療法」に位置付けられている。

PSAとは「Prostata Specific Antigen」(前立腺特異抗原)という前立腺から分泌されるタンパク質の一種で、前立腺ガンになるとその分泌量が増加するため“マーカー”として利用される。一般に、4.0以下であれば正常、4.1以上で前立腺ガンの疑いありとされている。

前立腺ガンはガンの中でも自覚症状が弱く、また部位が部位だけに発見しにくい。以前は触診による検査が主だったが(私も経験あるが、この検査、なかなかきついものがある)、現在はこのPSA値が前立腺ガン検査の中心となっているとのことである。

前立腺ガンは潜伏期間が長く(40年以上ともいわれている)、また罹患率が高い。ある統計では80歳以上の男性では70%以上が前立腺ガンに罹っているという。言ってみれば男は皆、前立腺ガンに罹る可能性が大であり、他人事ではない。なので男性諸氏、健康診断の際にはメタボやBMIなどポピュラーな項目だけでなく、PSA値にも注目を。

米長会長といえば、現役時代は非勢の終盤に豪胆な指し回しで勝負をひっくり返してしまうことから「泥沼流」とも、また茶目っ気があり、さっぱりとした性格から「さわやか流」とも称された棋士である。

1943年生まれの65歳。若い頃は艶福家との噂が漏れ聞こえてくることもあり、盤外では毀誉褒貶の声入り混じる人物だが、“女性が好きで、女性に好かれる”のは事実のようだ。またよっぽど自信があるのだろう、素っ裸の写真を撮らせ、それが写真週刊誌に掲載されたこともある。

年齢的にはそろそろ人生の終盤である。頑健であった人がガンとの診断を受け、動揺狼狽しないはずはない。しかしご本人に落ち込んでいる様子はない。

これから述べることは、私が前立腺癌とどう向き合ったかを正直に書いてゆくものです。 
癌は恐い。しかし、なってしまったものは仕方がありません。そんな人のための手記です。 
前立腺癌は医者と患者が対等である。患者側に治療の選択肢がいっぱいあるという意味です。手術にするか、放射線か、ホルモンか。どの方法もまさしく日進月歩しているようです。 
先ずは命の心配です。次いで「男の命」はどうなるのかも氣になります。尿もれはどうか。金銭的なことも氣になるでしょう。 
私は同様に悩む人、迷っている人達のため、自身の体験を正直に書いてゆきます。 
自分のことですから勿論相当に調べたり、体験談を読みました。時には嘘、あるいは見栄もあるやに思います。私は包み隠さず語りますので、ご参考になれば幸いです。

現在将棋界は羽生善治名人や渡辺明竜王の活躍で、活況を呈しているように見えるが、“事業(ビジネス)”という観点から見れば決して安閑としてはいられない状況にある。将棋会館の建替えや公益社団法人格取得といった喫緊の問題もある。そうした中で、米長会長は東奔西走し続けている。今、ガンという難敵を迎えどんな指し回しを見せるのか…末永い息災を祈りつつ見守りたいと思う。

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コメント

男性は前立腺ガン、女性は乳ガンが一番多いそうです。ケベックでは、近年、病名を公表して治療に入る男性有名人も出てきましたが、やはり言いにくいようですね。昨日、乳ガン予防に両胸を切除するという雑誌記事を読んだばかりです。予防段階で取ってしまうというのは衝撃でした。
病気と分かったら真摯に向き合って治療するしかないですよね。

投稿: pompon | 2009年1月14日 (水) 21時22分

従来の会長に比べ、米長会長期は困難な問題が多いように思えます。
本人は淡々としていますが、将棋界を取り巻く状況は厳しいですね。
たいへんでしょうが頑張って頂きたい。無理はしないで頂きたいですが…

投稿: 通りすがり | 2009年1月15日 (木) 08時42分

pomponさん

>乳ガン予防に両胸を切除する

この発想、乳房温存手術を歓迎する日本人には思い付かないし、
また受け入れられないような気がします。確かに、その部位が
なければガンも発症しませんけどね。
カナダではどうなのでしょう。広く受け入れられるのでしょうか。

通りすがりさん

>たいへんでしょうが頑張って頂きたい。無理はしないで頂きたいですが…

仰る通りですね。昨年、中原十六世名人が倒れ、今度は米長さん…
時間は否応なく流れているんだと痛感しました。

投稿: Jack | 2009年1月15日 (木) 16時34分

> カナダではどうなのでしょう。

幸せなことに、まわりに乳ガンの人がいないのでお応えできません。日本語の雑誌記事を読んで「なるほど」とは思いましたが、こうやって人の体も変わっていくのかなぁと思いました。

投稿: pompon | 2009年1月18日 (日) 08時02分

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