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2009年2月14日 (土)

将棋:第2回朝日杯将棋オープン戦準決勝・決勝と公開対局への要望

第2回朝日杯将棋オープン戦の準決勝と決勝を観戦してきた。

準決勝は1組が▲久保利明八段(33歳)-△渡辺明竜王(24歳)、2組が▲阿久津主税六段(26歳)-△佐藤和俊五段(30歳)という若い棋士が中心の顔ぶれとなった。結果は久保と阿久津が勝ち、午後の決勝に進出。

決勝戦では後手の久保が圧倒的に有利な展開となり、44手目△6五飛と相手の桂の利きに飛車を飛び出したときには、会場に声にならない驚きの波が走った。

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この飛車は取れない。因って、先手は▲6六歩と受けることになるが、そこで△2五飛と飛車交換を強要し、△2七歩成~△3八金打として後手の勝勢と見られていた。ところが、▲6六歩に対して、久保が△同角と取ったことから形勢が混沌とし始めた。

一時は敗勢と言われた阿久津だったが、▲6八銀(47手目)という守りの好手を繰り出すなど諦めずに指し進め、結局75手で今一番調子がよいと言われた久保を破り、見事初の棋戦優勝を果たした。棋譜はこちらを参照願いたい。

今回初めて朝日杯将棋オープン戦をナマで観戦して思ったことがある。以下、そのことを書く前に、まず簡単に会場の説明をする。

“対局場”は20m×40mほどの“大会議室”といった場所に、準決勝用に2組の対局席が設けられていた(準決勝2局は同時スタート)。

対局席はそれぞれ、中央に3寸程度の将棋盤が置かれたテーブルと対局者用の椅子があり、その周囲を「コ」の字型に長机が囲い、その外側が“観客席”となっている。「コ」の字の開いた部分は壁に面していて、そこに記録係の机と盤面再現用の大盤がある。

観客用の椅子は両方合わせても50脚程度だったろうか。それ以外は“立ち見”となる。

その対局場とは別に、定員640名ほどのホールが用意されていて、そちらが“大盤解説場”となっている。対局場の“立ち見”と大盤解説場は出入自由である。

気になったのはその対局場のせまさと素っ気なさである。たぶん、100~150人も入ったら、とても対局者の姿など見えなくなるだろう(因みに、本日の観戦招待者の数は600名)。結果的に観客の大半は、せっかくの公開対局だというのに、別フロアのホールでの大盤解説を見ることになる。

また、椅子での対局であることはよいとして、できればもう少しテーブルを低いものにして、盤面を見やすくする工夫がほしい。それに周囲を仕切るのに長机というのはどうにもつや消しである。飾り立てる必要はないが、「大金が懸かった」(解説の木村一基八段の言葉)プロの将棋である、「売り物には花を飾れ」とも言う。もう少し華やかさを演出してほしいところだ。

Photoその一方で大盤解説は工夫があった。もしかしたら、もう一般的に行われていることなのかも知れないが、私は今回が初めての経験で、従来のいわゆる「大盤」に代えて、大型のディスプレイとPCを使っての解説だった(写真は、ステージ上に用意された2台のディスプレイの内、左側のもので、準決勝では▲阿久津-△佐藤戦の解説に使われた。決勝ではこの左のディスプレイはネット中継の再現用で、本来、解説は右側のディスプレイを使うのだが、進行の行きがかりから、解説の木村一基八段、聞き手の伊藤明日香女流1級、渡辺竜王、佐藤五段の4人は左のディスプレイを使って話を始めてしまった。その間も、右側のディスプレイには、解説に合わせた手順が再現されていた。写真の映りが悪いのはご容赦を)。

解説で取り上げられた手順が画面に再現される。画面が大きくて見やすいだけでなく、変化手順の検討が終って本譜に戻るのが瞬時のことで、そのスピーディさがいい。無論、PCを操作する人が将棋とPCの双方に明るくなければならないのは言うまでもないが、どなたかは知らないが、今日操作を担当されていた方は、プロ棋士が指摘する手順を的確に理解し、再現していた。

そこで、先ほどの“対局場の演出”問題に絡めて言えば、朝日杯将棋オープン戦は対局場を、今日大盤解説を行ったホールにすることを奨める。ステージ上に(椅子/テーブルでよいから)対局席を設け、対局者には見えないよう、少し手前(観客席寄り)に大型ディスプレイを配置する。

解説は別室で行い、解説手順は対局場の大型ディスプレイに映し、観客全員に(展覧会で使うボイスガイドのような)“ヘッドセット”を貸し出し(これは有料でもかまわない)、それを通じて解説の声を流す。そうすれば、観客全員がプロの解説を目と耳で確かめつつ、ナマの対局を楽しむことができる。

この朝日杯に限らず、公開対局は頻繁に行われているものの、“将棋祭り”などでのアトラクション対局を別にして、公式戦においては、プロの的確な解説を聞きながらナマの対局を見ることは難しいのが現状である。

だが、上記のようなやり方であれば公式戦の公開対局でもそれが可能となる。ぜひ、これからの公開対局の標準フォーマットにしてほしいものである。

【追記】09.2.15
この方式の大きな問題点に気付いた。棋士の中には大盤解説がむやみと面白い人がいる。敢えて名前は挙げないが、昨日の大盤解説担当者や準決勝敗退者にもそういう人がいた。
で、面白い解説を聞いた観客がそれに反応して笑った場合、解説が聞こえない対局者は相当気になるのではないかということ。
また、厳粛な雰囲気に包まれていた将棋の対局会場で、突然吉本の舞台のような大爆笑が湧き起こったら、対局者はかなりびっくりするに違いない。この問題を防止するには、解説は盤面のことだけに限定するか、解説者に面白い話をする人を選ばないことにするしかないようだ。ただし、それだと大盤解説の楽しみの半分が失われてしまうような気がする。
なにかよい解決策はないものだろうか。

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