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2009年2月20日 (金)

将棋:第58期王将戦第4局 羽生が勝ち2勝2敗に

将棋第58期王将戦七番勝負第4局が、(09年)2月19、20日の両日、大分県日出町で行われ、107手で先手羽生善治王将・名人が勝ち、戦績を2勝2敗の五分に戻した。

初戦を制した後、挑戦者深浦康市王位に2連敗を喰い、少々嫌な流れになりかけた今期王将戦、その4局目を羽生が見事な指し回しで快勝し勝負を振り出しに戻した。これで実質三番勝負となり、次の第5局の重要性が俄然高まった。

戦形は角替りからの相腰掛銀といういささか古風な雰囲気の戦形になった。しかしそこは現代将棋、木村、升田、大山らが競い合った頃とは感覚が違うようだ(その頃のことはさすがに私も知らない。本などで読んだ程度である)。34手目△3五歩というのが先手の陣形の不備を突く鋭い手に思えた。

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上図からの数手が面白い。まずは▲4五銀と先手が銀をぶっつけたのに対して後手は△6三銀といったん出た銀を引いた(下図)。腰掛銀から4筋、6筋で銀に銀をぶつけるのを「ガッチャン銀」という。実際には、金属の銀同士をぶつけても「ガッチャン」といった音はしない。ただ、「ガッチャン」というのは、盤の中央付近でにらみ合っていた銀将がいきおいよくぶつかり、戦う様を端的に表す面白い言葉だと思う。

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この△6三銀を見たときは、消極的だなと思ったが、さすが深浦、この手の先には△5五角(50手目)という意表をつく攻撃の手を用意していた。ネットの解説では「予定変更のようだが」と書かれていたが、私は△6三銀と引いた時の読み筋に入っていたと思う。

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これは後手の反撃が決まったかと思った矢先、先手からすごい手が飛び出した。53手目の▲2四銀打である。

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敵方玉頭で歩がにらみ合っている間に銀を打ち込むという鬼手。この後は羽生の的確な攻めが続き、腰の重い深浦も踏ん張りきれず、ついに107手で投了。その途中、▲6九香打がまさに勝負に辛い一手。

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こんな手を指されると、指された方は戦意を失ってしまうもので、おそらく深浦もこの手辺りで負けを覚悟したのではないだろうか。

本局を勝っていれば深浦は王将位にあと1勝と迫ることができただけでなく、羽生に4連勝した9人目の棋士になるはずだった。また通算の対戦成績でも勝ち越すところだったが、それも成らなかった(本局の結果、羽生から見て26勝25敗)。羽生としても同じ相手にタイトル戦を3回連続で敗れるわけにはいかない。両者の戦いは残り3局で決することになった。

次回、第5局は(09年)2月24、25日、愛知県蒲郡市で行われる。

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