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2009年2月 9日 (月)

“眠り猫”は寝ていない?

昨日(09年2月8日)日光東照宮の“眠り猫”のことを取り上げたところ、baldhatterさんから「実は眠っていないという説もあるらしい」というコメントをいただいた。

Photo2_2 “眠り猫”が寝ていないのではないかという疑問の根拠は、その前足の位置にあるようだ。通常、イエネコは前足を折り曲げて体の下に入れる「香箱」という姿勢で寝ることが多い。少なくとも日本の在来種ではこの「香箱」の姿勢を取るのが一般的で、外来の大型種の中には前足を折り曲げず、ライオンのように前に延ばした姿勢を取るものもある。

日光東照宮の“眠り猫”はその香箱を作っておらず、右足は立てた状態にある。このことから「寝ていない」という疑いを持たれるようになったようだ。

1ところで、猫や犬というのは、目をつぶっている時は眠った状態にあるといわれている。もちろん、眠りの深浅はあるが、人間のように“眠ろうとして目をつぶること”はない。これは野性の名残で、眠りという無防備な状態を少しでも短くするための習性らしい。

その猫の習性から考えると、日光の“眠り猫”が寝ているのは確かだが、その眠りは“香箱を作る”ほど深く、リラックスしたものではなく、いつでも動き出せる姿勢にあるといえる。

ところで、こんな説明を「世界遺産 日光の社寺」というサイトで見つけた。

 東照宮の数ある彫刻の中で、なんといっても有名なのは東回廊の蟇股の「眠り猫」です。奥宮への入口にあり、昔から左甚五郎作として、数々の逸話が伝えられています。例えば、最初は目を開いていたとか、禅の悟りの境地を意味するとか。
 猫の彫刻は、東照宮以外の神社・寺院にも見られますが、ほとんどは獲物を狙って殺気をみなぎらせています。寝ているのは東照宮だけです。
 猫の彫刻の裏側には、竹林に遊ぶ2羽の雀の彫刻があります。東照宮の彫刻は虎や霊獣など、それぞれ重要な位置に、特別の意味をもって使われています。それでは、猫と雀は如何に?
 奈良の春日大社蔵の国宝の太刀の鞘には、竹林で雀を捕らえて喰う猫の図柄があります。なんとも凄惨な図柄です。これをヒントに想像をたくましくすれば、猫が寝ているから雀は楽しく暮らしていられます。これは戦乱が治まり、平和な時代が訪れたことを意味してはいないか?その平和は、東照宮の御祭神・家康公によってもたらされました。従って、「眠り猫」は、平和のシンボルなのです。

Photo_3「雀を捕らえて喰う」猫がいて、「猫が寝ているから雀は楽しく暮らしていられ」るのだというのであれば、それこそ「想像をたくましくすれば」この“眠り猫”は“戦乱の象徴”ということになる。なるほどそう考えると、右足を立てたまま、いつでも動き出すことができる姿勢をとっていることや、表情や体つきに猫の愛らしさが感じられないことも合点がゆく。

どうやら、作者は身近にいる動物の中で最も寝ている時間が長い猫に、平和が末長く続くようにという願いを込めたと解釈することもできそうだ。

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コメント

「眠り~」や「眠ったふり」は、いろんなモチーフと言葉になっていますね。
眠り姫、眠れる獅子、狸寝入り、眠狂四郎、眠りの森(の美女)、眠りの小五郎......。

子どもの頃に見たきりになっている東照宮。改めてじっくり見学してみたくなりました。

投稿: baldhatter | 2009年2月 9日 (月) 16時43分

>子どもの頃に見たきりになっている東照宮。改めてじっくり見学してみたくなりました。

私は20数年前に見たのが最後です。3年ほど前に日光に行き、東照宮も見ようとしたのですが、残念ながら日没になってしまい見ることができませんでした。一度「日暮の門」が本当に1日中見ていても見飽きないものか―なんて実験もしてみたいですね。

投稿: Jack | 2009年2月 9日 (月) 23時19分

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