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2009年3月 2日 (月)

将棋:第34期棋王戦第2局 久保が連勝

一昨日(09年2月28日)、将棋の第34期棋王戦五番勝負第2局が行われ、挑戦者の久保利明八段が第1局に続いて勝ち、対戦成績を2勝0敗とし、初タイトル獲得まで1勝と迫った。

総手数わずかに57手という予想外の戦いは、久保の趣向が功を奏した一局と言えるだろう。それは11手目の▲7五飛である。

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早石田の出だしから、9手目に先手が▲7四歩と突っかけ、それに△7二金と応じたところで久保が繰り出したのがこの▲7五飛。こんな手は(プロの将棋では)見たことがない。どうやら新手のようで、渡辺明竜王もブログで「新手だろうと思います」とコメントしている。

一時期、石田流ばかり指していたことがあり、その時「鬼殺し」風の新しい攻め手順はないかなどといろいろ試したこともあったが、7五飛というのは考えたことがない(考えつくこともできない)。しかしこんな手が成立するものだろうかと見ていると、先手は飛先の歩を切って、自分から角を交換し、▲7七桂と上がる(下図)。

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この局面だけ見たら、“素人の将棋”である。ここで△5四角と打たれたらどうするんだろうと思っていると、案の定後手の佐藤康光棋王が5四に角を打つ。それに対する先手の応手がこれまた面白い―▲5五角打(下図)。

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先日(09年2月18、19日)行われた第58期王将戦第4局でも、羽生善治王将・名人の▲5六角の上に、挑戦者深浦康市王位が△5五角と打ち、中央で双方の角が角(つの)をつき合せて睨み合う恰好になったが、この将棋でもそれと似たような局面が現出した。

上図から先手が角銀交換した後、後手が△6四角打と飛車に当てつつ7三を守ったのに対して、先手は▲7四飛と相手の懐に飛び込んで行き、さらに▲7五銀打と防御の角を攻める手を繰り出す(下図)。

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私にはこの▲7五銀打が非常に良い手に思えた。結果的に、この銀は6四で角を取った後、さらに5三に成りこんで王手をかけ敵玉をおびき出し、最終的にしとめるお膳立てをする。久保の勝利に、この銀の活躍が大きく貢献したのではないだろうか。この後の手順は棋譜中継でご確認いただきたい。

棋王戦は五番勝負のため、久保は棋王位獲得にあと1勝となった。現在進行中の2つのタイトル戦では、どちらも挑戦者がタイトル奪取に王手をかけた状態にある。しかもその挑戦者2人が順位戦ではまだ昇級が決まっていなかったり、陥落の危機にさらされていたりと、あまり芳しい結果を残せていないのが勝負事のあやにも思え、無責任ながら一将棋ファンとしては興味がつきないところである。

まさかとは思うが、来期、7大タイトルの内4タイトルがB級1組に集中するという事態が出来する可能性もないわけではない。

将棋界もいよいよ“年の瀬”が迫ってきた。明日はA級順位戦の最終第8局の一斉対局である。

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