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2009年3月10日 (火)

えらそうな謝罪

たとえば仕事でミスを犯し、取引先や上司或いは同僚に迷惑をかけたとしたら、何と言って謝るだろうか。

「このたびは私のミスでご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げたいと思います」と言ったら、ほとんどの場合、「君、それじゃ謝ったことにならないよ」と却って相手の怒りを増幅させてしまうのではないだろうか。

だがこういう謝り方しかしない連中がいる。その代表格が政治家だ。

民主党の小沢一郎代表が、自らの公設第一秘書が西松建設からの迂回献金疑惑に関連して逮捕されたことについて、今日(09年3月10日)の記者会見で「国民の皆さんにも大変なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げたい」と発言し、マスメディアはこれをもって「小沢代表が国民に謝罪した」という形で報じた。

だがこれは“謝罪の意向を表明した”のであって“謝罪した”のではない。謝るとは「ごめんなさい」、「申し訳ありませんでした」と言って頭を下げることである。テレビのニュースを見た限りでは小沢代表は「申し訳ありませんでした」とは言わなかったし、頭を下げることもなかった。

頭を下げるという行動には、視線を下に向けることで攻撃する意図がないことを示すと同時に、急所である後頭部を曝すことで、相手に対する“降伏”、“服従”の姿勢を表す意味があるという。言ってみれば「何をされても文句を言いません」ということで、深く反省していることの証しにもなる。その逆を言えば、「申し訳ありませんでした」とも言わず、頭も下げない人間は往々にして心底から自分の非を認めていないものである。

政治家の言葉の薄っぺらさは今に始まったことではないし、多くの国民はそのことにとっくに気づいているのだが、どうやら当の政治家たちだけは気づいていないらしい。そこに加えて、今回のようなえらそうな謝り方である。あの謝り方や言葉の薄っぺらさには、国民に対する政治家の“傲慢”が露呈しているのだと思う。

その“傲慢”がある限り、かれらの口から出る「国民のため」という言葉には何の意味もないと断じていいだろう。

マスメディアにはぜひ、今後の世論調査に「政治家の謝り方が納得できるものかどうか」という質問項目も付け加えてもらいたいものである。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

そうかと思うと、「謝るのはイヤ」などと言って姿を現さない漢検理事長のような人もいたりします。

投稿: baldhatter | 2009年3月11日 (水) 02時35分

どこの国でも同じ、、、のような気がします。それから、西欧の人は一応に、自分の非を簡単には認めないように思います。たとえつじつまが合わなくても。

投稿: pompon | 2009年3月11日 (水) 13時20分

baldhatterさん

>姿を現さない漢検理事長

昨年暮れ、テレビ(情報ライブミヤネ屋)が例の「今年の漢字」の発表風景を中継した際、清水寺貫主がいきなり書き出すのではなく、検定協会の理事長が口頭で発表してから書く段取りになっているのを見て、現地レポーターやスタジオの司会者たちはびっくりすると同時に、半ば唖然としていました。あの時、「この人(検定協会理事長)は、手柄を誇りたい人物なんだな」と思ったものです。しかしまさか、こんなに商売上手とは思ってもみませんでした。トヨタが赤字に転落する時代に、単年で6億以上の黒字ですからね。

pomponさん

>西欧の人は一応に、自分の非を簡単には認めないように思います

頭を下げるという行為が一般的でないというのと因果関係がありそうですね。どっちが「因」で、どっちが「果」でしょうか。

投稿: Jack | 2009年3月11日 (水) 22時00分

西欧にはお辞儀の習慣はありませんね。謝るときだけでなく、出会いの挨拶のときも、感謝するときも。
私もときどき言葉に伴うこの行為を忘れつつあるように感じます。20数年前、新入社員研修では、15度、30度、45度時と場合に合わせた角度まで訓練を受けましたけど。。。モジモジ(。_。*)))

投稿: pompon | 2009年3月12日 (木) 01時02分

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