« “羽生ルート”探索 | トップページ | 将棋:第67期名人戦七番勝負第1局2日目 »

2009年4月 9日 (木)

将棋:第67期名人戦七番勝負第1局1日目

Photo昨年(2008年)4月8日、春の嵐の中で始まった第66期名人戦は挑戦者羽生善治二冠が森内俊之名人を4-2で降して名人に復位。同時に十九世名人の資格を得るという歴史に残る戦いだった。

あれから早や1年、今年も名人戦の季節がやってきた。
(写真は近くにある幼稚園の桜。紹介している間がなかったので今日掲載する次第)

羽生-郷田のこれまでの対戦成績は羽生の36勝17敗で、タイトル戦では過去5回対戦し、羽生が4回、郷田が1回勝っている。

その2人の対戦成績に意外な事実があることがNHK BSで紹介された。これまで郷田は矢倉の先手番で羽生に勝ったことがないというのである。郷田というと(振り飛車を指さないというのではないが)「居飛車」のイメージがある。当然、矢倉戦の実績も多い。

その郷田が振り駒で先手となり、選んだのが矢倉だった。

初手から▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩▲6六歩…と進み、途中、流行の早囲いもあるかとテレビで木村一基八段が手順を解説したが、郷田は13手目に▲7八金とし、角を引く通常の囲いにすることを表明。

さらに手が進み、23手目で郷田が▲3五歩と仕掛けた。△3五同歩▲3五同角△5三銀(図)となったところで昼食休憩に。

6711  

 

 

 

 

 

 

 

 

名人戦棋譜速報」(会員制サイト)の解説によると、この局面での戦績は先手5勝、後手15勝、1持将棋だという。先手番で羽生に勝ったことのない矢倉を選んだ上に、敢えて先手不利の局面へと導いた郷田には秘策があるに違いないというのが控室の見方である【12時半記す】。

上図からの指し手は少々意表をつくものだった。後手番の郷田が昼食休憩をすぎて対局が再開されてもなかなか指さない。素人目にはそれほど考えるところとは思えないのだが、郷田は結局3時間26分という持ち時間の3分の1以上を投入して着手した。その手は▲6八角。おそらく、次の一手の問題だったら大半が正解しただろう指し手である。

テレビの解説で木村八段は、その前の△5三銀がもしかしたら予想外だったのかもしれないといったコメントをしていた。が、それは考え難い。▲3五歩から△同歩▲同角に△5三角は当然考えられる応手の一つである。では、なぜ3時間もの大長考をしたのか。これも木村の解説にあったのだが、「考えている内に楽しくなってしまった」ということは考えられる。

▲6八角の後は△4五歩▲3七銀と進んだ(図)。

6712  

 

 

 

 

 

 

 

 

この局面、過去に2局しか前例がないという。それは郷田に用意の手があると考えた羽生の作戦か。つまり、郷田に研究手順を繰り出すチャンスを与えないがために、敢えて実戦例の少ない局面に誘導する。そうだとすると、直前の郷田の長考も説明がつかなくはない。

なお、実戦例2局の内1局は第55回NHK杯の▲先崎学八段-△松尾歩五段戦で、松尾が二歩を打って負けた一戦である。

上図からは比較的すらすらと指し手が進み、35手目▲3六歩打の局面で手番となった羽生が手を封じた。

6713  

 

 

 

 

 

 

  

 

封じ手の候補は△5三角、△6四角、△9四歩などで、私の予想は△5三角。

|

« “羽生ルート”探索 | トップページ | 将棋:第67期名人戦七番勝負第1局2日目 »

将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/220529/44615507

この記事へのトラックバック一覧です: 将棋:第67期名人戦七番勝負第1局1日目:

« “羽生ルート”探索 | トップページ | 将棋:第67期名人戦七番勝負第1局2日目 »