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2009年5月20日 (水)

将棋:第67期名人戦七番勝負第4局1日目

将棋の第67期名人戦第4局が今日(09年5月20日)から、和歌山県の高野山金剛峯寺で始まった。

羽生善治名人2勝、挑戦者郷田真隆九段1勝で迎えたこの1戦、羽生が勝てば防衛に王手となる。また郷田が勝てば名人位をめぐる3番勝負の様相を呈してくる。

高野山といえば、1948年、当時の塚田正夫名人への挑戦権をかけ、升田幸三八段(当時)と大山康晴七段(同)とが3番勝負を争った「高野山の決戦」が有名だが、本局も▲2六歩△8四歩と、相掛りの将棋となり、61年前の升田・大山戦第3局と同じ出だしとなった。

ただし5手目に先手羽生が▲7八金と指し、升田の▲7六歩とは違う進行となる。

以下は昼食休憩再開直後、先手が▲3六銀と指した局面。

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因みに、「高野山の決戦」は升田、大山それぞれ1勝ずつを上げた後の最終第3局が1948年3月3日、高野山普門院にて行われ、最終盤升田に致命的な見落としがあり、大山の勝ちとなった。その升田の「ポカ」が下の局面。

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後手が△8七飛成と先手の角を取って王手をかけたところ。ここで▲5七桂合だったら升田が勝っていた。が、手拍子に▲4六玉(上図)としたため、△6四角打▲5五桂打△4七金打となって大山が逆転勝利を納めた。

羽生-郷田戦の方は上の▲3六銀の局面で郷田九段がまたもや大長考に入ったようで、午後4時現在、ネット中継では手が進んでいない。そこで、「高野山の決戦」について少し調べてみたので、そのことを記す。

上記図から△6四角打▲5五桂打△4七金打(投了図)となり大山が勝って、塚田名人に挑戦することとなったのだが、投了図から後の手順が分からなかった。

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そこで調べてみると、確かに上図で先手玉は詰んでいた。

図から、▲5六玉△5七竜▲6五玉△5五竜▲7六玉△7五竜▲8七玉△8六竜▲9八玉△9七竜▲8九玉△8八歩▲7九玉△7八歩▲6九玉△5七桂▲7八玉△6七歩成▲7九玉△6九桂成▲同玉△5八金▲7九玉△6八金まで。詰将棋に出てくるような竜による追い回しで見事に仕留める手順に迫力がある。

無論、私自身が解いたのではない。将棋ソフトでもない。実は古い棋書でみつけた正解手順である。その本は『近代将棋の名匠たち』(角川選書)というもので、菅谷北斗星の後、将棋観戦記の第一人者として活躍した倉島竹次郎の著書である。

また、敗れた升田が投了の際に「錯覚いけない、よく見るよろしい」とおどけ顔で言ったとされているが、このセリフは敗戦の影響が色濃かった当時、街頭などでもインチキ賭博がおおっぴらに行われていて、賭博を行っていた者がひっかけた連中から金を受け取る際いった言葉だそうである。

金を巻き上げられた上に、こんな言葉を言われたら相当に腹が立つだろうが、その言葉を自嘲気味に口にした升田の無念さを推し量ることができるエピソードである。

さて羽生-郷田の名人戦である。結局1日目の午後に指されたのは▲3六銀△7五歩の2手だけで、羽生が27手目を封じて指し掛けとなった(下図)。

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封じ手の予想は▲2五銀が最有力。正副の立会人3名の一致した意見だ。

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