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2009年6月 2日 (火)

GM倒産

Gmlogo_2世界最大の自動車メーカーGMが倒産した。日本の「民事再生法」に相当する(というか、こちらがあちらを真似たらしいのだが)Chapter 11の適用を申請した。

単純に言えば、もうかっている部門だけを残し、不採算部門は切り捨ててしまう。その際に生じる負債の大半は「棒引き」にしてもらうというのが大まかな再生計画。こうした「破綻」話につきまとう首切り、賃金カットも当然行われるだろう。ただ再生計画の実施を誰に任せるかがまだはっきりしていないようだし、旧経営陣の責任という点もさだかではないように思える。

自動車というのは私にとっては仕事(翻訳)における「得意分野」の一つなのだが、既に昨年の秋頃から具体的な仕事はほとんどない。この数年は、欧州系メーカーとクライスラーの仕事が多かったのだが、そのクライスラーに続いてGMの破綻である。当分、自動車がらみの仕事はないものと思っている。

GMといえば、私にとっては即ち「キャデラック」である。子どもの頃に見た「キャデラック」(おそらく「フリートウッド」か「エルドラド」だろう)の、マンガのように大きく大げさなデザインは強烈で、あの姿にほれ込んでしまった人たちが「日本車はちまちましすぎ」と言うのも、分からないではない。

どれほど大きかったか…。「キャデラック・エルドラド」の場合、排気量8000cc、全長5.7メートル、全幅2メートルなどというモデルがあった。私が小学生の時にマツダ・キャロルという車が人気になり、音楽の先生が乗っておられたが、その初代キャロルは排気量360cc、全長2.98メートル、全幅1.3メートルだから「エルドラド」は寸法で約1.7倍、エンジン排気量では22倍以上だった。同じ車とはいえ、その大きさの違いは明白で、先生がチェロをキャロルに載せると、窓から楽器の一部分が突き出ていて、「あれがキャデラックなら、絶対にはみ出すことはないだろうな」と思ったりしたものだ。

だが専門家の解説によれば、そうした(収益率が高い)大型車への依存が強すぎたため、時代の要請に対応しきれなかったということであり、「走る10メートルごとに10円玉1枚を置いているようなもの」とさえ形容される効率の悪さ、維持費の高さを無視した車作りでは、今回の破綻も不可避だったのだろう。

オバマ政権の下で新しいGM(Governmental Motors)として再出発するわけだが、かなり思い切った処方を取らないかぎり、真の再生は達成できないだろう。

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コメント

昨年秋に、ワーワー大騒ぎをして米・加両連邦政府(+州政府)からの援助を引き出しておきながら、この結果です。一年前は、GMがクライスラーを買収するって言っていたのに。長期計画性に欠けています。モントリオール国際ジャズ祭はGM、フランス語歌謡祭はフォードがメインスポンサーです。大丈夫かしら。

終戦の年に生まれた私の元上司は、客に迎えの車が来たときに、「リムジン」と言わず、「キャデラックが迎えに来ている」と言ってました。欧州生まれの彼女にも、「キャデラック」は大型高級車のイメージだったのでしょう。

投稿: pompon | 2009年6月 5日 (金) 01時03分

pomponさん

>ワーワー大騒ぎをして米・加両連邦政府(+州政府)からの援助を引き出しておきながら、この結果です。

実は、あの「公的資金投入」はソフトランディング(今回の調整型倒産)を実現するための布石だったという話があります。
政府が資金援助しなかったら、ハードランディング(本当の意味での倒産で、たぶんChapter 7が適用される)となっていた可能性がきわめて高い・・・そうなったら収拾がつかなくなる。
これからは投入した資金(=税金)がどうなるか、納税者意識の強いアメリカ人のことですから、その点はあやふやにはしないでしょうね。それにしても新生GMの舵取りを誰に任せるのか、オバマ大統領は「人選」ではいろいろとミソをつけているので、気になるところです。

投稿: Jack | 2009年6月 5日 (金) 11時03分

GM Canada はまだ倒産してないようで。モントリオール郊外にも工場がありましたが、7年ほど前に閉鎖されました。隣のオンタリオ州はGMに援助金を出しましたけど、去年、新工場を新設したトヨタとの兼ね合いもあり。。。

> 納税者意識の強いアメリカ人

1,2ヶ月前、保険会社へ投入した公的資金の使い道のことで大問題になってましたよね。それにGMまたは関連会社に勤めている納税者もいるわけで。この会社のすごく寛大な年金制度が無くなることに恐怖感を抱いている人も多いようです。オバマ氏もこの問題の会議には参加しているようでしたが、公的資金投入時はまだブッシュ政権でした。自動車産業全盛期世代のブッシュ前大統領と、コンピュータ/IT世代のオバマ大統領では、自動車産業に対する見方も違うのではないでしょうか。
カナダでは、
4日朝のラジオで、「ハーパー政権はオンタリオの自動車産業には湯水のように金を使っているが、森林保護には冷たい」と言ってました。北米がいかに自動車産業に頼っているか。新幹線も(コンコルドのような)超高速飛行機も未だにない土地ですからねえ。

投稿: pompon | 2009年6月 5日 (金) 13時07分

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