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2009年6月 8日 (月)

「直感」と「直観」または「直覚」

コンピュータに関連した翻訳でしばしば遭遇するのが「intuitive」(または「intuitively」)という言葉である。

おそらくこの言葉が頻繁に使われるようになったのは、Windows 95が登場した14、5年前あたりからだろう。私自身は1991年に、あるクライアントとの打ち合わせで、担当の方がこの単語をうまく発音できず、「本当に言いにくい言葉ですね」と笑い出したことがあり、それが最初期の遭遇だったと思う。

「直観的」と訳し、コンピュータの操作が見ただけで容易に分かるような設計になっている場合に、「It can be intuitively operated.」(=直観的に操作できる)といったように使用する。

この「intuitive」には「intuition」という名詞形があり、広辞苑には「直観」の説明として「〔哲〕(intuition) 一般に、判断・推理などの思惟作用の結果ではなく、精神が対象を直接に知的に把握する作用。直感ではなく直知であり、プラトンによるディアレクティケーを介してのイデア直観、フッサールの現象学的還元による本質直観等」と記載されている。

哲学的意味は別にしても、「直感」(説明や証明を経ないで、物事の真相を心でただちに感じ知ること)とは別の言葉であるのは確かである。

それがこの頃、「直感」ないし「直感的」とする例をたびたび見かける。しかしどんなに操作が容易なコンピューターであっても、直感による操作ではやはり不都合、不具合が起こりかねない。画面に表示される指示やアイコンに従って操作するべきだろう。

また「直観」と同じ意味の語に「直覚(的)」がある。「直観」と「直感」だと文字も読み方もよく似ていて混同されることがあるが、「直覚」なら字面も違い、間違われることもないと思うので、今後は「直覚」という語を使ってはどうだろうか。いくらなんでも「直角」と間違う人はいないだろう。

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