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2009年7月21日 (火)

ようやく解散

衆議院がようやく解散した。麻生太郎氏が総理大臣になった時は、遠からず解散・総選挙になるだろうと誰もが思ったものだが、結局10か月かかったことになる。

で今回の選挙、私は民主党に一度政権を任せてみたいと思っている。なので民主党に投票しようと思っているのだがちょっとした問題がある。

お通夜に参列した時のことだった。冷たい雨が降る夜だった。会場の寺には次々と弔問客がやってくる。

参道に10数張りのテントを並べて雨除けにしてくれていたのであまり濡れることはなかったが、長い弔問客の列は遅々として進まない。みんな焦れていたが、場所が場所だけに誰もそんなことはおくびにも出さない。私も多少焦れったさを感じてはいたが、じっと列の中で順番を待っていた。

その時、背中に妙な柔らかさのものが当った。一度ならず、二度、三度…、後ろにいた男の腹だった。

なんせ雨が降っている。1人でも多くテントの中に入れるよう前後を詰めてはいたが、それでも互いに体が触れないよう、誰もがぎりぎりのすき間は確保している。その中で、早く前へ進めとでも言いたげに腹で押してくるとは礼儀知らずな奴だと思った。

列に並んで15~20分ほど経っただろうか。男は相変らず腹を人に押し付けてくる。それまでは我慢をしていたが、そろそろこちらの忍耐が限界に近付いてきていた。今度、明らかに腹を押し付けてきたら、ひとこと言ってやろうと腹をくくった。と、その時だった。

「××先生」

弔問を終え戻ってきた人が列の横を通り際に、私の後ろの男に挨拶した。それまでも後ろの男に会釈をして帰って行った人が何人かいたが、どうやら男はかなり顔が広いようだ。男が挨拶を返す。案外年をとった声だった。

「この頃、△△会の方はどうされてます」これは弔問帰りの人。
「なかなか忙しくて…」と後ろの男。

2人は話し始めた。その間にも列が徐々に進み、少し距離ができたので、私は振り返って男を見た。それは、この界隈のあちこちにポスターが貼られている元国会議員だった。名前と顔だけは知っていたが、声を聞いたのはその時が初めてだった。一般人と同じように列に並んで弔問の順番を待つという偉ぶらない態度は本来なら評価できるところだろうが、なにしろグリグリと背中に押し付けられ続けた腹の感触と腹立たしさが残っている。

国会議員と弔問帰りの人との話は続いている。その間も列は前に進む。だが、議員の後ろの人たちは前に進むことができない。ちょっと、列から外れてあげれば、後ろの人たちを前に進ませることができるのにと思うのだが、そんなことに気付く細やかな神経は持ち合わせていないようだ。私と議員の間に7~8人分ぐらいの空間ができたときだった。それまで議員の後ろでじっと待っていた人が、話し込んでいる2人の脇をすり抜け進んでくると、私の後ろに並んだ。その後の人たちも続いた。議員と話し相手は列の向こうに隠れて見えなくなった。それっきり、その晩出っ腹氏と会うことはなかった。

その元国会議員を今は毎日のように目にする。町のあちこちに貼られたポスターの中からにこやかに手を差し出してくるのだ。政策や信条、経歴について詳しくは知らない。しかし背中に感じたあの腹の感触と、自分の後ろにいる人たちのことも考えず列の中で立ち止まって話し込む無神経さを思うだけで投票には二の足を踏まざるを得ない。で、その出っ腹氏が民主党員なのだ。

さて、私は誰に投票したらよいのだろう。

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コメント

北米の大きな人はお腹も比例して大きいので、お腹が当たると弾みでとばされてしまうのですが、日本人でそこまでお腹が大きい人がいるとは想像できないですね。当たられたのが女性だったら、立派なセクハラです。そういう人に大事な一票を入れたくない気持ち、当たり前ですよね。困りましたねぇ。

投稿: pompon | 2009年7月22日 (水) 10時41分

>当たられたのが女性だったら、立派なセクハラです。

そうなんです、あの時、女性の気持ちが少し分かったような気がしました。
実に不愉快なものですね。
私の経験では、欧米の人は見知らぬ人間との接触を極力避けようとしますね。
エレベーターなんかでも、日本人の感覚からすると、まだ乗れると思うのですが、
かれらは絶対にぎゅうぎゅう詰めなんかしません。
カナダも同じでしょうか。それとも、今ではそういうところにも変化が出てきている
んでしょうかね。

投稿: Jack | 2009年7月23日 (木) 01時19分

> 欧米の人は見知らぬ人間との接触を極力避けようとしますね

そうですね。朝の地下鉄でも、もうちょっと詰めてくれれば乗れる~~~と、東京のJR/地下鉄を知っている人間は悔しいのですが。。。ドアの近くだけ人が多いのです。

体が接触するほど、接近するのはとても希ですが、野外のコンサート会場とか、その会場を通り抜けようなどとする時は例外です。
知っている人、それから気がある人、との距離はジャーマニック系言語の人と、ラテン系言語の人とでは違いがあります。ラテン系の方が近いですし、よく触ってくるのもこちらの人が多いですね。従って、英系カナダ人の方が、仏系より人との距離をおきます。

投稿: pompon | 2009年7月23日 (木) 11時30分

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