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2009年8月 2日 (日)

「染付-藍が彩るアジアの器」展

Photo_3焼き物の代表格といえば、「青磁」、「白磁」と「染付」である。その中でも染付は我々のすぐ近くにある陶磁器だ。

その「染付」の展覧会があったので見に行ってきた。

展覧会の名は「染付-藍が彩るアジアの器」。染付とは、白い素地の上にコバルトを含む顔料で文様を描き、それに釉薬をかけて還元焔焼成した焼き物で、中国、朝鮮では「青花」(せいか)、英語では「Blue and White」、ベトナムでは「Hoalam」(ホアラム)と呼んでいる。

顔料だ、釉薬だ、還元焔焼成だといった専門的な用語の説明は今回は省略させていただくが、簡単に言えば、白い地に藍色の文様のある焼き物のことである。

Photoこれは日本の家庭なら1つぐらいは必ずある器で、和食の店などでお目にかかったこともあるに違いない。左の写真は最も代表的な文様のひとつ「網目文」である。こんな模様が入った平皿に盛り付けられたお刺身を食べたことが一度ならずあることだろう。

それほど日本人の日常に浸透している「染付」は、遠く中国の元時代(14世紀)に景徳鎮窯で完成された技法だと言われている。様々な色の絵の具を使う五彩や金を使った金彩などの華やかさはないが、軽くて(磁器であるため薄手に作れる)、丈夫で(釉薬の下に文様が描かれているので色が褪せたり消えたりしない)、清潔である(釉薬のガラス質はすべすべしていて汚れが落ちやすい)ことから、一般家庭用の食器として普及した。

Photo_2今回の展覧会には染付の最高峰に位置付けられる作品が数多く出品されており、派手さはないものの、焼き物としての完成度はきわめて高く、見るものごとに感嘆の声が出る。中でも写真の「青花蓮池魚藻文壷」は、文様、色、形ともに見事な出来映えで、描かれている4種類5尾の魚からは、描き手の技術の高さ、イマジネーションの豊かさがうかがえる。

また中国以外の、日本、朝鮮、ベトナム(安南)の青花・染付も紹介されており、国がらが如実に現れた作風の違いが面白い。

手のひらに乗る「香合」から、一抱えはありそうな大壷や直径50cmを超える大皿まで、大きさも種類も、作られた時代も様々な藍色の器たちを存分に堪能できる展覧会である。実際に器に触って、文様が釉薬の上と下に描かれた場合の違いなどを確かめられるコーナーや、染付を中心に他の焼き物や漆器などと組み合わせたテーブルセッティングを見せるディスプレイなど、意欲的な陳列手法も試みられており、とかく「顔色が悪い」と言われる博物館の焼き物たちを少しでも活気ある形で見せようとする姿勢には好感が持てる。

同展は東京国立博物館平成館で(09年)9月6日まで開催されている。

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