« ヒロシマ | トップページ | 「さん」と「容疑者」の落差 »

2009年8月 7日 (金)

裁判員裁判

昨日(09年8月6日)、最初の裁判員裁判が東京地方裁判所で結審し、判決言い渡しが行われた。

結果は検察求刑の懲役16年に対して懲役15年の有罪判決。専門家によると、従来の職業裁判官だけによる裁判よりもやや厳しい結論となったらしい。

今回の裁判の推移を見ていて気になったことがある。まずその審理日数の少なさ―4日間と発表されたが、1日目の午前中は裁判員選びに充てられ、審理が開始されたのは午後だった。2日目は朝から夕方まで審理が行われたが、3日目は午前中で終了。4日目には判決である。実質、審理に充てられたのは2日分、10数時間である。これでは裁かれる立場の人間としては、よっぽど有利な判決でない限り控訴せずにはいられないだろう。

もう一つ、裁判員になった者には守秘義務が課せられ、審理などで知った事柄や自分が裁判員として裁判に参加した事実などを公表することができない。これはやはりおかしい。巷間言われているように、公表できないためにせっかくの経験や情報を共有することができないという点もあるし、裁判員になった個人にしてみれば、公表することで負った重圧をやわらげられるという効果もあるはずだ。

昨日は裁判終了後に、補充裁判員も含めて7名が記者会見に臨んだが、あのような形でも自分の感想を述べ、他の裁判員の言葉を聞いて、自らの行為を確認できた人も少なからずいただろう。せっかくの貴重な体験がトラウマになることがないよう、参画し責務を果たしたのだという充足感を得られるよう、公表の自由を認めるべきだろう。野放しにできないというのであれば、今回の記者会見のように裁判所が管理可能な手段・メディアによってでもかまわない。

ただ記者会見という形式は、これが最初の裁判でマスメディアが注目していたから可能だったのであり、今後、全国で次々と開かれる裁判のすべてで実行できるとは思えない。であれば、発表の手段としては限定的ではあるが、裁判所のWebサイトなどインターネットでもいいだろう。

まだ始まったばかりの裁判員制度、3年後には見直しが行われることになっているが、その3年間に積み重ねるであろう経験を活かせる方向での見直しを期待したい。

|

« ヒロシマ | トップページ | 「さん」と「容疑者」の落差 »

その他」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/220529/45863629

この記事へのトラックバック一覧です: 裁判員裁判:

« ヒロシマ | トップページ | 「さん」と「容疑者」の落差 »