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2009年9月 6日 (日)

「シュート第1」:日本・オランダ戦を見て

共に2010年W杯本大会への出場を決めているチーム同士の“強化試合”。公式戦ではないがW杯本大会で当る可能性もあるため、オランダとしても手抜きはできない。

一方、日本にしてみれば欧州の強豪国との手合わせというのはそうそう実現できるものではなく、それにめいっぱい戦っても勝つことが難しい相手であり、当然真剣な戦いとなる。

前半は互角ないしそれ以上だったと思う。後半も15分くらいまではいい試合だった。が、結果はまたしても、ボールはピッチ上をよく動いたけど、唯一ゴールの中にだけは入らなかった。

先日、朝日新聞に興味深い記事が載った。その記事によると、日本は世界の強豪に比べて後半最後の15分での運動量の落ち込みが大きいという。それは試合を見ていて、感覚的にも分かっていたことだとも言える。

日本のサッカーは“勤勉さ”が強みである。テクニック、体格、経験でまさる世界強豪国の選手を相手に戦う時、日本は常に数的有利な状態を作り出さなければならない。そのために1人の選手がカバーする面積は広くならざるを得ない。

前半45分間はフルに動き回ることができる。だが後半に入り、時間が経過して行くに連れて日本選手の運動量は落ちていく。今回のオランダの得点もすべて後半だった。

90分間、10km~12kmを走り切る体力のみならず、体力の配分も考えていかないと、前半を“省エネ”で戦える力のあるチームには太刀打ちできない。

それともう一つの大きな課題である“得点力”についてだが、少なくともペナルティエリア内ではプレーの第1選択肢をシュートとするという意識が不可欠だろう。

これも朝日新聞に載った記事だが、2006年W杯ドイツ大会で優勝したイタリアは放ったすべてのシュート中、ペナルティエリア内からのシュートが66.2%、準優勝のフランスは63.6%であったのに対し、日本はわずか22.2%だったという(3試合でのシュート総数27本で、ペナルティエリア内のシュートはわずかに6本)。

あの大会では無回転で微妙に揺れるボールが話題になり、ミドルシュートに有利と言われたが、実は強豪でもペナルティエリア外からのミドルシュートは少なく、(あのクリスティアーノ・ロナウドがいた)4位のポルトガルでも、50本打った内、実際に得点になったのは1本だけ。フランスは28本のミドルシュートを放って、ゴールはゼロだった。

もともとシュートの速度に劣る日本選手の場合、ミドルシュートを決めるのは容易ではない。また、玉田や岡崎といった高さ・強さではなく、スピードと運動量で相手の背後を狙うタイプのフォワードを起用する限り、ペナルティエリアに入ってのシュートが圧倒的に多くなる。

そこでフォワードに求められるのが(もちろん、ペナルティエリアに入ってシュートを打てる状況になったら、その他のポジションの選手でも)、“シュートを第1優先とする意識”であろう。

今回の試合でも、開始早々の3分、中村俊輔からのパスに岡崎が素早く反応して、相手DFの後ろに抜け出した場面があった。しかし岡崎は左足でトラップし、結局ゴールチャンスを逸する結果になった。

あの時、岡崎の頭に“シュートを第1優先とする意識”があったら、空中で体をひねって右足でのダイレクトボレーを狙っただろう。それが実際にゴールになったかどうかは分からない。きわめて難しいシュートであるため、枠にすら行かなかった可能性もある。だがあの場面(時間帯を考えても)、可能性の高さよりも、シュートを打つことを優先すべきであったと思う。

ゴールにならずとも、その後のオランダ守備陣に無言のプレッシャーを与えることになり、極端なことを言えば試合の展開すら変わっていたかもしれない。

日本人は失敗を怖れ、可能性の高いプレーを選択しがちだが、サッカーは得点しなければ勝てない。ペナルティエリアでは先ず“シュートを第1優先”にするべきだろう。

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