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2009年10月15日 (木)

将棋:第22期竜王戦第1局 渡辺が先勝

将棋の第22期竜王戦七番勝負が始まった。今期渡辺明竜王に挑むのは森内俊之九段。5年前、同じ竜王戦の舞台で相対した時とはタイトルホルダーとチャレンジャーの立場が入れ替わっての対戦である。

戦形は角換り腰掛銀となり、27手目に森内が▲6六銀とした手が新趣向だったようで、それまでほぼ先後同形で進んでいた駒組みがこの手を境に新たな展開へと流れ込んでいった。

そして39手目、▲4五歩と戦端を開く歩突き(下図)。

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以後、△4五歩▲同銀△4四歩▲5六銀△3二玉と指し進められたところで、森内が再び▲4五歩と打った(下図)。

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この図(45手目)と最初の図(39手目)を比べてほしい。違いは後手の玉の位置だけで、5一にいた渡辺玉が4二に上がっている。

上記の手順だけから言えば、森内の39手目▲4五歩打から43手目▲5六銀までは存在しなかったと同然であり、渡辺が38手目の△4三金と44手目△4二玉を2手連続で指したようなものである。序盤の1手、1歩の差が命取りになるといわれるプロ高段者同士の戦いではちょっと考えられないことだ。

ところが、後手玉が1歩戦場に近づいただけ先手に有利になったという可能性も考えられる。この辺りが将棋の難しいところで、基本的にマイナスの手がない囲碁との違いでもある。

ただ私はこの45手目の▲4五歩を見たときに、森内らしからぬ指し方だなと思った。39手目と45手目の▲4五歩はいずれが先手にとって有利なのかは分からない。だが、どちらかが有利だったことは間違いないだろう。で、先手が敢えて同じ手を指したことを考えるならば、先の39手目の▲4五歩はあまり良い手ではなく、後の45手目の方がまさっていたと見るのが妥当だろう。そこに森内らしからぬ性急さが感じられた。

「らしからぬ」といえば渡辺の指し手も、どこか鷹揚でいつもの渡辺とは違う印象を受けた。特に50手目6三にいた銀を5二に引いた手、52手目に4四の銀を3三に引いた手は、渡辺のイメージとはどこか違うと感じたものである。

将棋は渡辺が森内の最初の攻めをギリギリのところでかわし、先手の攻撃が一息ついた瞬間に反撃に出ると、その後は互いに攻防がめまぐるしく入れ替わる展開となったが、序盤の辛抱強い差し回しと駒得が奏功し、紙一重の差で渡辺が勝った。

昨年、羽生名人を相手に3連敗後4連勝という派手な展開で5連覇を果たし「永世竜王」になった渡辺は、今期はまずは1勝を上げ、手堅いスタートを切った。最終第7局まで戦うことになれば、2ヶ月を超える長丁場。折りしも新型インフルエンザが流行っていることもあり、両者健康に留意して熱戦を展開してほしいところである。

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