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2009年11月 2日 (月)

空港のハブ化に関して

Photo前原国交大臣の発言以来、「羽田空港のハブ化」が大きな問題になっている。

空港のハブ化とは何だろう。そもそもそれは必要なことなのだろうか。(写真は2010年10月完成予定の羽田空港新国際線ターミナル)

ハブ空港とは各地へと放射状に伸びた多数の国際・国内路線が離着陸する空港である。海外から来た航空旅客は到着したのと同じ空港から、国内の目的地へと国内路線に直接乗り換えて行くことができ、非常に便利である。

ところが日本の場合、「成田=国際線、羽田=国内線」という基本方針があり、国際線と国内線を利用する旅客は羽田=成田間の移動を強いられることになる。

成田空港が完成した30数年前であれば、そうした不便もやむを得ないこととして受け入れられたのだろうが、海外旅行が日常茶飯のこととなってきた今、(たとえば)自宅→地上交通手段(バス、車、列車など)→最寄りのローカル空港→羽田→地上交通手段→成田→海外の目的地という不便なアクセスへの不満が高まってきた。

また一方でアジア諸国の発展によって、大型のハブ空港が生まれ、地域によっては、上述のルートの「最寄りのローカル空港→羽田→地上交通手段→成田→海外の目的地」の部分が「最寄りのローカル空港→他国のハブ空港→海外の目的地」へと大幅に短縮可能となり、利便性の点で、「羽田=国内線、成田=国際線」という住み分け方式では競争力を維持することができなくなっている。やがては「経済性」を理由に、日本を迂回する航空路線が増加することも十分あり得る。

そこで遅ればせながら、「日本にも国際的なハブ空港を」と相成った次第だが、地方自治体などからの反対の声に、「羽田と成田の一体運用」などと、実態のはっきりとしない「方針」が打ち出される始末である。

成田空港を作ってしまったがために世界のハブ化に乗り遅れ、今ようやくハブ化に舵を切ろうとしたところで、「2つの空港を一体運用する」というハブ化とは逆の方針が浮上してくる。正直、「おいおい、民主党、大丈夫か」と言いたくなる迷走状態である。

要は、今後20年、30年の航空輸送需要をどう予測するか、それにはどう対処するのが合理的かが問題なので、国家経営も他国との競争という性格を帯びるようになった現在、もたつきは命取りになりかねない。

ハブ化が必要かどうかを見きわめ、必要ということであれば、唯一の現実的選択肢である羽田空港に投資を集中するべきだろう。

ところで、日本では俄かに脚光を浴び始めた「ハブ空港」だが、専門家の間には、「将来、ハブ空港は不要になる」という論があるそうだ。

現在、ハブ空港が重要かつ必要なのは、「国際路線=大型ジェット機、国内路線=中小型ジェットないしターボプロップ機」という使い分けが為されているためである。これは、鉄道の在来線と新幹線の関係を考えれば分かりやすい。各地に分散している旅客は最寄り駅から在来線で主要駅に行き、そこで新幹線に乗り換え、長距離を移動し、到着駅で再び在来線に乗り換えて目的地に向う。

ところが、航空機の性能が向上したことで、これまでは難しかった小型ジェット機による長距離飛行が可能となり、従来のルートにとらわれない移動が可能になりつつある。いわば、「在来線+新幹線」という移動モードに対しては自動車というまったく別の手段が存在するように、中小型ジェット機でハブを経由せず、ローカル・ツー・ローカルのダイレクトな移動を行ってしまおうというのである。

果たして、そうしたダイレクトな航空路線が実現するのか否かは分からないが、はっきりと言えるのは、「ハブの先」が取り沙汰されようという時期に、まだ「ハブの手前」で足踏みしているようでは、日本という国はこれからますます世界に後れを取ることになるのではないかということだ。

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