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2010年1月30日 (土)

インナーマッスル

今日、スポーツクラブでパーソナルレッスンを受けた。その人の目標、体力、年齢などを考慮し、トレーニングメニューの作成などを手伝ってくれるというもの。

私の目標は「イアン・ソープみたいに泳ぎたい」(笑)。

コーチは20台半ばと思しき男性(私の息子程の年齢だ)。さすがにしっかりとしたいい体格をしている。

まずは聞き取りからスタート。メモを取りながら10分ほどこちらの話を聞いた後に一言、「インナーマッスルが問題なんじゃないでしょうか」。

インナーマッスルという言葉は聞いたことがあった。数年前、マイケル・ジョンソンをはじめとする米国の陸上選手がそのインナーマッスルのトレーニングを積んで、基本的な身体能力の向上に成功したという話があった。すっかり忘れていたのが、今日その言葉に遭遇したわけである。

「では、ちょっと調べてみましょう」

コーチはそう言うとレッスン専用のエリアに移動。先ずは「ストレッチポール」という直径約20cm、長さが1mほどの棒状の器具を取り出した。それを床に置き、その上に、ちょうどポールが背骨に当たるよう仰向けに横になる。その状態で、両腕を横に伸ばし、脚を片方ずつ膝を曲げて持ち上げたり、伸ばしたまま持ち上げたり、或いは交互に、ちょうど歩くように動かしたりといった運動をする。言葉で言うと簡単なのだが、これが実際にやってみると体のバランスを保つため、両腕や上半身に力が入り、思いのほかきつい。

「じゃ、次はどっちかの手を床から離して今の運動をやってみてください」

コーチの指示はレベルアップする。両手を床に着いた状態でも難しいのに、片手を離したら…案の定、バランスをくずしてポールからずり落ちた。

「こんなことできる人、いるんですかね」と私。

「はい」とコーチ。

インナーマッスル(この場合は、腹横筋、骨盤底筋、横隔膜、多裂筋のこと)とは体の奥にあって、内蔵や背骨、骨盤などを支えている筋肉のことである。これらの筋肉が十分発達していないと、いわゆる腹筋や背筋の力の一部が内臓などを支えるのに使われるため、力や動きのロスを誘発することになる。

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もう一つ、水泳というのは他の運動と違い、地面など不動物に接していないため、力のロスが生じやすい。たとえば、クロールでいくら腕を鍛え、力強く水をかいたとしても、体がねじれていれば、その力は前に進むためには使われず、体全体がローリングや左右へのブレを起こすことになる。

で、インナーマッスルが十分発達していれば、体のコアを支え、ブレを防ぐので、そうしたロスが生じにくい。

プールでのレッスンなしなので推測ではあるが、私の泳ぎのストロークが多く(25mで10~12ストローク)、長く泳げない(連続200mが今のところ限界)のは、以上のことが原因だろう。

というのがコーチの話の大略である。

そこで、インナーマッスルのトレーニングを行うことになったのだが、先ずは一番大きくて重要な腹横筋から始めることになった。

その方法とは「ドローイン」(Draw-in)―なにやら難しそうで、実際細かい注意点を一つひとつ守ろうとすると決して簡単でないのは事実だが、要は、「下腹をへっこませる」運動である。

「これだけですか」という私の質問にコーチは笑って、

「これだけです。でも効果はありますよ」

インナーマッスル(腹横筋、骨盤底筋、横隔膜、多裂筋)は外部から見たり、触れたりすることができないのだが、1ヵ所だけ手で触れて確認できる場所がある。仰向けに寝て、左右の骨盤(腸骨)の内側2~3cmのところを指先で触ったまま空咳をしてみてほしい。すると、皮膚の下で動く細い筋肉がある。それが腹横筋の端の部分である。

今「細い筋肉」と言ったが、それは私の場合で、「試しにボクのを触ってみますか」と言われ、触らせてもらったが、驚いたことにコーチのは指で2~3本分もの太さがあり、しかもはっきりと体の中から盛り上がってくるのが分かった。

で、先ほど説明したストレッチポール上で、片手を床から離しての脚の上げ下げ運動だが、「できる人がいるのか」という私の問いにコーチは「いる」と即答したが、その「できる人」とはコーチ本人だった。

直径わずか20cmほどの丸い棒の上に仰向けになった彼は両手を腹の上に置いたまま、両脚を真っ直ぐ伸ばした状態で床から持ち上げ、ちょうど背泳ぎのバタ足のように脚を交互に上下させた。

インナーマッスルが強いと体を思いのままに動かすことができるようになる。すると体の他の部分への負担がかからなくなり、力のロスがなくなる。動きが滑らかになり、泳ぎにも無理がなくなる。当然長い距離が泳げるようになる。

「それにしても、昔こんな知識(インナーマッスル)があったらもっと有効なトレーニングができただろうな」などと、ここ10年ほどの運動生理学の進歩に驚かされた日でもあった。

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コメント

インナーマスルを鍛える有効性がものすごく良く解りました。ためしに私も「インナーマスルはどこに???」と触ってみました。腹筋背筋を鍛えているつもりだったのに、なんだか脂肪に触るばかりでしたc(>ω<)ゞ。
テニス、ゴルフなどを始めとして、スポーツはなんにしてもコアマスルが大切ですものね。水泳は体を鍛えるものとして挑戦したことがないので、Jackさんの苦労話もへぇぇぇという感じで読んでおりましたが、このインプットには納得しました。
水泳でも、インナーマスル(こちらではコアマスルが話題になりますが、同じなんでしょうか)を鍛えたら、力がそがれず、前に進むために体が動けるという発見は素晴らしい発見だと思います。
今後、ますます水泳が楽しく出来るようになるといいですね。

投稿: billabong | 2010年2月 1日 (月) 13時50分

>こちらではコアマスルが話題になりますが、同じなんでしょうか

同じもののようです。少なくとも日本(語)では同じ、腹横筋、横隔膜、
骨盤底筋、多裂筋等を意味するようです。

http://pilates.kenkodiet.net/09.htm

コアマッスル(インナーマッスル)が強いと姿勢がくずれず、年をとって
からも内臓の働きが活発で、新陳代謝も活性化されるとのことです。
今、人生で経験をしたことのない、お腹の奥の方の筋肉痛を感じてます。

投稿: Jack | 2010年2月 2日 (火) 00時36分

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