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2010年2月28日 (日)

チリ地震と津波

(2010年)2月27日(現地時間)チリで大地震が発生し、これまでのところ死者300人以上、被災者200万人以上と言われている。

私の世代であれば、「チリ地震」と聞いて思い浮かべるのは、1960年5月23日(日本時間)に起きたマグニチュード9.5の巨大地震だろう。

その巨大地震で発生した大津波が1日経過した後、日本の三陸沿岸を中心に押し寄せ142人が死亡した。今のような津波警報システムなどなく、地震の規模どころか、チリで巨大地震が起きたことすら知らない人が大半だったという。

当時私は小学生だったが、陸に打ち上げられた漁船などの写真を見て「津波」という言葉を憶えると共に、その力の大きさを知った。

では「普通の波」と「津波」では何が違うのか。津波の恐ろしさとは何なのか。一言でいえば「押し寄せる水の量が桁違いに多い」ということである。

普通の波(波浪)の場合は風などの気象現象が原因となって起きるので、波長が短い(言い換えれば1個1個の波が小さい)。しかし地震によって引き起こされる津波は海底隆起などが原因となるため、波長が長い(1個の波が大きい)。

因って、高さが同じでも押し寄せる水の量は数十倍に達することがある。これが通常の波なら越えられない防波堤でも、津波なら易々と乗り越えてくる理由である。その点を図解したのが下の図である。

Photo_2

さらに「高さ」も普通の波と津波では意味が違う。普通の波の高さは最高点と最低点の差(上の図でいうと波が作る山の天辺と谷の底の差)を意味するが、津波の場合は本来の海面高との差を意味する。上の図でいえば、横に引かれた直線が「本来の海面高」であり、それより上の部分が「津波の高さ」となる。これは普通の波が波高計を使って計測するのに対し、津波は波長が長いために潮位計を使わざるを得ないことから生じる違いである。その結果、津波の高さは普通の波の約2倍になる

私は静岡県の沖で悪天候に伴う「15mのうねり」というのを経験したことがあるが、その時乗っていた2500トンの船が波の谷の底に行くと波の頂上は船よりも高くなった。文字通り、海水の壁に囲まれたような状態である。その時感じた恐ろしさは今でも覚えている。

「15mのうねり」は津波の高さで約7.5mに相当するわけで、1960年のチリ地震で観測された「6mの津波」がどれほど大きなものだったかが多少はお分かりいただけるだろうか。

また津波は想像以上に“足が速い”。今回の場合、気象庁の予想では日本の沿岸に到達する際には時速40km前後に達するだろうという。ウサイン・ボルトならいざ知らず、普通の人間では全力疾走しても出せないスピードである。

なので、気象庁から「津波注意報」や「津波警報」が出されたら、津波見物に海まで行こうなどと軽はずみな行動は取らないようご注意を。

そこのJackとかいう人、君も肝に銘じておくように。

「はい!」

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コメント

チリの地震や津波と関係あるのか、ないのかはわかりませんが、2月28日のフランスは全土にわたって警報が出るくらいの強風(ところによって暴風雨)で、パリ・CDG空港はほとんどの便が遅れ、午後から天気が回復しても、ダイヤの乱れはひどくなるばかりで、全く秩序がありませんでした。旅客機がない、または客を乗せる準備(掃除)が出来てないとかで、10時間待たされた挙句にキャンセルなんて便もありました。私の便は4時間遅れで飛びましたが、荷物は届いてません。なんでもかんでも天気のせいにするなんて!と激憤しております。
あ、フランスにいた10日間、こちらにコメントが送れませんでした。どうもネットアクセスによっては、ココログさんが受け付けてくれないようです。モントリオールの自宅に着いてやっと書けます。

投稿: pompon | 2010年3月 1日 (月) 16時45分

飛行機の遅れや欠航などスケジュールの乱れは、他に代替となる
手段が少ないだけに、遭遇した人は大変ですよね。
私も生れて初めて乗った飛行機が悪天候のため、札幌ではなく
釧路に着陸したために、その晩の宿泊先を探すのに四苦八苦した
思い出があります。
いまだにあまり飛行機が得意でないのはこの時の記憶が影響して
いるのかも知れません。

投稿: Jack | 2010年3月 2日 (火) 13時34分

> 札幌ではなく釧路に着陸したために、その晩の宿泊先を探すのに四苦八苦

国際便の場合、以前は航空会社が乗り継ぎバスやその夜のホテルの手配をしてくれたものでした(料金は会社もち)。今はそんなサービスはありません。土地勘のないところで夜おそくに宿を探すのは骨が折れますよね。
フランスの暴風雨では50人もの人が亡くなったり行方不明だったりするようです。わたしの鞄もまだどこにあるのか?です。
台風や地震の多い国で育ったので、私は天災には驚かないのですが、このごろ多いですね。以前からあったのに、報道されなかったのでしょうか。今は情報の伝達が速いですし、映像ですぐ惨状が目にできますからね。

鞄がはやく届かないかと気がきではないのです。(以下、投稿者の希望により削除しました。ご了承ください^^)。

投稿: pompon | 2010年3月 3日 (水) 11時56分

pomponさん

言い忘れてました。お帰りなさい to Canada。

投稿: Jack | 2010年3月 3日 (水) 12時06分

> お帰りなさい to Canada。

ありがとうございます。休暇が終わるのってイヤですねぇ。

投稿: pompon | 2010年3月 3日 (水) 22時39分

カナダ帰国から3日経って鞄が無事届きました。チーズのにおいがプンプンしてました。
チーズは自分で食べる用であれば、国内持ち込み禁止品目ではありませんが、税関の官吏に規則を知らない人が多く、チーズとみると全部取り上げられてしまうことが多いのです。公務員にもっと規則を勉強してほしいです。

投稿: pompon | 2010年3月 8日 (月) 13時23分

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