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2010年3月18日 (木)

将棋:久保新王将誕生

羽生善治王将・名人に久保利明棋王が挑んだ第59期王将戦七番勝負は昨日の第6局で、挑戦者久保棋王が羽生王将を降し、通算成績4勝2敗で初の王将位を獲得した。

これで久保は棋王位と合わせて二冠となった。

第6局は後手久保の中飛車に対し、先手羽生が5八金右からの急戦を仕掛ける形になり、1日目で既に本格的戦闘に突入。棋譜中継のコメント欄には、将棋ではこれまで一度もないが、囲碁の方では2日制の対局が1日目で終了したことがあったことなどが紹介され、現場の少々慌しい雰囲気が伝わってきた。

本局も1日目で終了することはなく、2日目の戦いへ。そして、終盤 ― 手数は少ないが図では既にお互いの玉将が詰むか詰まないかの局面。

1

先手の57手目▲5八桂打に△5九金と打ち込んだところ。実は羽生の▲5八桂打は疑問手で、桂ではなく香を打っていれば先手の勝ち筋であったことが後に判明する。この後、▲6五香打△6九金と進む(下図)。

2

ここでの棋譜中継のコメントには、

控え室では現在、▲6一飛△8二玉▲7四桂△同歩▲6四角という順を読んでいる。(A)△7三桂合は▲同角成△同玉▲1三龍△5三角合▲同龍△同金▲6二角△8二玉▲7一角成△7三玉▲6三龍で、長手数ながら詰みのようだ。ならば(B)△7三銀合は? 以下▲同角成△同玉▲1三龍△5三銀▲同龍△同金▲6二飛成△8四玉▲8六香△8五角合(!)▲同香△9四玉で、このとき先手は持ち駒に桂がないので……詰まない?
「古典詰将棋みたいですね」(行方八段)
「おそろしい難解さだね」(勝又六段)

とある。現実には、(A)の▲1三龍までは予想通りだったが、そこで△5三角合ではなく△5三銀合。これを他の駒で合いをすると後手玉は詰んでいたようだが、銀では、▲5三同龍には△同金▲6二飛成△8四玉▲8六香△8五角合▲同香△9四玉となることが予想され、わずかに後手玉は詰まない。

本譜では△5三銀の後、▲6七玉と詰よ逃れの詰よを掛けるも△6八角打の返し技がぴたりと決まり、▲6三香成からの寄せを久保がしっかりと受け切って82手で羽生が投了。新王将の誕生となった。

近代将棋史上公式タイトルを獲得した棋士は34人いるが、同時に2つ以上のタイトルを保持したのはわずかに10人。久保がその10人目であることは言うまでもない。1993年に17歳で四段プロとなってから17年目の栄冠である。

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