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2010年4月15日 (木)

関西弾丸ツアー (2) 国宝油滴天目茶碗

今回の旅行の目的その2は国宝「油滴天目茶碗」。

Photoこれまでにも何度か取り上げたことがあるが、現在国宝に指定されている陶磁器は14点であり、そのうち8点が茶碗である。その1点、「油滴天目茶碗」は大阪市立東洋陶磁美術館が所蔵する。

「天目茶碗」とは黒い釉をかけた茶碗の謂いで、比較的小ぶりの、上が広く、下に向けてすっと径を絞った形をしている。その天目茶碗の中で、小さなタマゴ形の斑文が多数浮かんだものを、それが油の滴に似ていることから「油滴天目」(ゆてきてんもく)と呼ぶ。この文様は、焼成の過程で釉中の気泡が破裂し、そこに流れ込んだ酸化第二鉄の粒子が結晶となって生じたものと言われている。

国宝油滴天目茶碗は中国福建省にあった建窯で、南宋時代(12~13世紀)に作られたものである。

東洋陶磁美術館自慢の自然光展示ケースの中に置かれた天目茶碗は黒を基調に、油滴文と覆輪の金色を全体に帯び、静かでありながら、どこかきらびやかな風情がある。それは満開の桜が曇天の下で見せる抑制された華やかさに通じる、一種不思議なたたずまいでもある。

器形は専門的には「束口碗」(そっこうわん)と呼ばれ、腹部から緩やかな曲線を描くように挽き上げられた腹部が口縁の少し手前で一旦すぼめられ(これを「束口」という)、再び少し広げられて口縁を形成する。

口径は12.2mmで、同じ国宝の「曜変天目茶碗」(静嘉堂文庫美術館蔵)とまったく同じである。おそらくこれぐらいの大きさが実際に茶を喫する時に持ちやすく、手にしっくりとなじむのだろう。

実際に見るまでは、正直なところあまり期待をしていなかったこの天目茶碗だが、実物に接してみて、あらためて陶磁器は現物を見ないとその真の良さは分からないということを痛感した。見ていると気持ちを引き立てられる名品である。

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