« 関西弾丸ツアー (3) 長谷川等伯展 | トップページ | 41年ぶりの雪 »

2010年4月17日 (土)

関西弾丸ツアー (4) 国宝曜変天目茶碗

今回の旅行の最大の目的は国宝の「曜変天目茶碗」(藤田美術館所蔵)だった。

藤田美術館は、明治時代の実業家で男爵でもあった藤田傳三郎と長男平太郎、次男徳次郎の2代3人が収集した日本および東洋の古美術品を展示している私立の美術館である。展示室はかつての蔵を利用しており、決して広くはない。美術館の隣は旧藤田邸の跡地で、現在は公園として開放されている。

Photoこの美術館では主要な品は2階に展示される。ギシギシと音を立てる木製の階段を上ると、部屋の中央に置かれた木枠にガラスをはめ込んだ展示ケースの中にその茶碗は置かれていた。

ケースの天板に付けられたライトを浴びて浮かび上がる青い光に浮かぶ漆黒の斑文は、静嘉堂文庫美術館の曜変天目に比べると小さく控えめで、喩えは悪いが、静嘉堂の天目茶碗が二重のパッチリとした美人なら、こちらは一重の切れ長な涼しい目元の麗人といったところだろうか。

写真だけで見ていたときは、正直に言って静嘉堂の天目茶碗の方が断然良いと思っていたのだが、両方の実物を見た今、そう簡単には言い切れないものがある。それぞれに特徴があり、ことに藤田美術館の天目茶碗は写真ではとらえきれない光の美が大きな魅力である。

静嘉堂天目茶碗との見た目の大きな違いにもう一つ「覆輪」(金属製の口縁)がある。茶碗というのは一般的に、底から上へと向うにつれて薄くなって行く。天目茶碗は特にその傾向が顕著で、口縁がきわめて薄いものが多く、器の保護と茶を飲むときの口への当たりを考慮して金属で縁取り(=覆輪)をすることがあり、藤田美術館の天目茶碗はその覆輪を備えている。

また、実物を見て初めて気づいたのだが、口縁の内側に修復した箇所がある。どういう事情で、いつ修復したのかはわかっていないらしい。

Photo_4ところでこの茶碗だが、ある本に紹介されている写真が実に美しい。美術館の限られた照明の下で見る実物よりも、その写真の方が美しいとさえ言えるかもしれない。その本のタイトルは『日本が愛したやきもの』。一度図書館ででもご覧いただきたい。

|

« 関西弾丸ツアー (3) 長谷川等伯展 | トップページ | 41年ぶりの雪 »

身辺雑記」カテゴリの記事

コメント

撮影者さん

コメントをいただきましてありがとうございました。
プリントの件、ぜひとも拝見したいと思っております。機会をみつけ、
あらためてご連絡させていただきます。
なお、内容、お送りいただいた時期から、ここでの貴方のコメント
公開は控えさせていただきます。ご了承くださいませ。

投稿: Jack | 2010年10月 6日 (水) 13時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/220529/48113132

この記事へのトラックバック一覧です: 関西弾丸ツアー (4) 国宝曜変天目茶碗:

« 関西弾丸ツアー (3) 長谷川等伯展 | トップページ | 41年ぶりの雪 »