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2010年4月12日 (月)

訃報:記憶の糸口

作家の井上ひさしが亡くなった。『青葉繁れる』、『吉里吉里人』が印象深かった。その井上の死を伝える今日の夕刊にもう一つの訃報があった。

福田陽一郎 ― 渋谷のパルコ劇場で観た、木の実ナナ、細川俊之主演の『ショーガール』の脚本・演出家である。2人だけで演じるこのミュージカルのチケットは、はじめは簡単に手に入ったものだが、回を追うごとに人気が高まって行き、最後の頃はプラチナチケットと化していた。日本人が演じているのに、いわゆる「バタ臭さ」のない洗練された舞台だった。

その訃報を読んでいて驚いたのが、彼がテレビドラマ『四重奏』の脚本も手がけていたという事実である。

渥美清や杉浦直樹が出演した、男四人が銀行強盗のためにトンネルを掘って行くというドラマで、岸田今日子が「四人(よったり)は…」と語るナレーションが独特の雰囲気をかもし出していた。ただ残念ながら、このドラマ、どのようにして終ったのかを知らない。最終話を見なかったのか、見たけど忘れてしまったのか。

時々、記憶の底からよみがえってくる主題歌はこんな風なものだった。

  胸に情熱 赤いバラ
  望みは同じ 四人の仲間
  でっかい夢見て 
  おー! 我ら四重奏

ネットで調べたところ、ほかにはジェリー藤尾、小池朝雄、名古屋章、植木等などが出演していたようだ。

どのように終ったのかを知らないというのは、いわば私にとっては未完の物語であり、40年以上を経た後もこうして記憶にあるのは未完であるが故かも知れない。また、作者の訃報がその作品の記憶を呼び戻す糸口になったというのも興味深い経験だ。

井上、福田両氏のご冥福をお祈りする。

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