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2010年5月 6日 (木)

5月の騒動

5月は連休で始まる。そのせいか或いは新緑いよいよ深まり、草木も動物も動きが活発になるせいか、他の月とは少々趣が異なる。

ただ、今年の連休はいつもの連休ともさらに趣が異なった。

5月4日に鳩山総理大臣が沖縄を訪問した。普天間基地の移設問題である。

「最低でも県外移設」と主張し、5月中には政府案を取りまとめたいと言ってきたのに、(少なくとも我々一般人から見て)具体的な動きとなったのはごく最近のことで、それも「部分移設」。なおかつ、移設先候補の徳之島は島をあげての猛反対(人口2万7000人の島で、2万3000人近い反対署名が集まった)。そんな状況下での沖縄訪問だ、平穏無事におさまるはずがない。卵やトマトをぶつけられなかっただけでも幸いだったかもしれない。

鳩山さんの言動には、「米軍基地がなぜ必要なのか」、「地元住民はなぜ基地に反対するのか」といった根本的な事柄に対する認識が感じられない。と同時に、基地の移転が非常に困難で微妙な問題であるということに対する認識も。

昨日の朝日新聞に船橋洋一主筆のコラムが掲載されていたが、その中に、「沖縄から海兵隊が撤退したら、翌日には尖閣諸島に中国の旗が立つだろう」というアメリカ政府高官の言葉が紹介されていた。今アメリカにとっての(ということは日米同盟にとっての)最大の懸念が中国であることは論を俟たない。

その中国には台湾という「最大の領土問題」がある。今はまだ、直ちに危険な状況ということにはならないだろうが、あと10年もしたら、どうなるか予測がつかない。台湾有事に際してアメリカ軍は躊躇なく台湾に派兵するだろうし、その先兵となるのが在沖縄アメリカ海兵隊である。言ってみれば、沖縄駐留のアメリカ軍は東シナ海、南シナ海周辺の安全保障の要であり、東シナ海は日本にとってもきわめて重要な海域である。

中国との仕事をしている知り合いは、最近中国人たちが変わってきたという。かつては日本を目標としていた人たちが徐々に自信を持ち始めている。事実、彼らの中には日本の中小企業オーナーでは逆立ちしてもかなわないほど莫大な資産を持つようになった者が大勢いる。そうした実績を上げている中国人の中にややもするとこちらを見下しているような視線を感じることがあるらしい。彼らがさらに自信を深めたら…「とんでもないことを思いつき、実行するかもしれないよ」と件の知り合いは不安を口にした。

理想論を言えば、元外交官の田中均氏が主張するように、「中国や北朝鮮の脅威を緩和すれば、沖縄の米軍基地も不要になる」のだろうが、現状を見る限りではそれはまさに百年河清を待つことに等しい。

だとすると、多少とも資産のある家にはそれにふさわしい防犯設備が必要である。沖縄問題をめぐる鳩山総理の言動には、そうした認識を国民と共有しようという姿勢を見ることができない。日本の総理ももっと具体的な言葉で国家安全保障を論じるべきだろう。

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