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2010年7月28日 (水)

林葉直子、15年ぶりの対局

おそらく将棋のことをあまり知らない人でも、「林葉直子」の名は聞いたことがあるだろう。そして、そのイメージはあまり芳しいものではないはずだ。

その林葉直子が今日(2010年7月28日)、およそ15年ぶりに公の場で将棋を指した。場所は東京駒込にある日本女子プロ将棋協会(LPSA)本部、相手はLPSA所属のプロ棋士中倉彰子女流初段である。

今のプロ棋士界に2つの組織があることは以前にも触れた(参照)。一方は創立から70年以上を経た日本将棋連盟で、もうひとつが2007年に設立されたLPSAである。この2つの団体の仲があまりうまく行ってないこともこのブログで取り上げた(参照)。今日の対局はそんな状況下で、LPSAが主催する棋戦に、スポンサー推薦の特別枠で林葉が招待されたものである。

林葉というと、失踪騒ぎ(正確には、当時所属していた日本将棋連盟には休会届を出した上での旅行だった)、27歳という若さでの引退、その後のヘアヌード写真集出版、中原誠名人との不倫騒動と、とかく「お騒がせ屋」のイメージがあり、事実としてもそうしたことがあったわけだが、その棋士としての才能はずば抜けたものであった。

今日の対局では、序盤から中盤への入り口あたりにかけて、その才能の片鱗を垣間見せるような指し手もあったが、最後は突然ポッキリと折れるようにして負けてしまった。やはり、15年のブランクは大きかったようだ。

現在、プロ将棋界は上述したように、決して良好な状況にあるわけではない。加えて、近代プロ将棋をその発足当時から支えてきた最大のスポンサーである新聞社の多くが経営的に厳しい状態に陥りつつあり、その将来には多難が予想される。

そこに今回の林葉の復帰である。無論、彼女ひとりが復帰したとて、将棋界全体を覆う厳しい状況が簡単に好転するわけではない。また復帰の是非をめぐっては様々な意見があり、誰もが諸手を上げて歓迎しているわけではない。しかしかつての「天才少女」の復帰はポジティブな話題であり、林葉の知名度を考えると、きちんとした形で復帰を果たせば、将棋界にとってはプラスの効果をもたらすのではないだろうか。既に15年という歳月も経過しており、また犯罪者ではないのだから、ここらで復帰を認めてもよいように思う。

ただそれには本人の強い意志と、過去にもまして一段と厳しい精進が求められる。今日、ネット中継された写真を見た者の多くが、その面やつれした容貌に少なからぬショックを受けたようだが、健康面の管理も含め棋士としての自覚の下、プロの対局に耐えうる状態に戻すことが必須条件となる。

それにしてもその林葉直子の元師匠が、LPSAとの関係を悪化させた張本人ともいうべき米長邦雄日本将棋連盟会長というのも皮肉なめぐり合わせである。

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