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2010年8月18日 (水)

高校野球:日程の不公正について【追記あり】

珍しくも野球のことを書こう。

現在甲子園球場では第92回全国高校野球選手権大会が行われている。折しも今日と明日は準決勝4試合を2日に分け、2試合ずつ行う日程となっている。この形式をとるようになったのは2003年からである。理由は選手たちの健康面への配慮ということである。

ところが、この日程だと決勝戦まで勝ち進んだ場合に「連戦数」で差が生じることになる。

今回の場合で見てみる。準々決勝4試合中2試合が終わった現時点で勝ち残っているのは6チームである。それぞれの試合日程は次のようになっている(カッコ内はこれからの日程)。

成田      8/7 1回戦
         8/13 2回戦
         8/17 3回戦
         8/18 準々決勝
         (8/20 準決勝)
         (8/21 決勝)

興南      8/10 1回戦
         8/15 2回戦
         8/17 3回戦
         8/18 準々決勝
         (8/20 準決勝)
         (8/21 決勝)

東海大相模  8/11 2回戦
         8/16 3回戦
         (8/19 準々決勝)
            (8/20 準決勝)
         (8/21 決勝)

新潟明訓    8/13 2回戦
          8/16 3回戦
                    (8/19 準々決勝)
          (8/20 準決勝)
          (8/21 決勝)

九州学院     8/7 1回戦
         8/13 2回戦
                    8/16 3回戦
          (8/19 準々決勝)
         (8/20 準決勝)
                   (8/21 決勝)

報徳学園   8/10 1回戦
                  8/15 2回戦
          8/17 3回戦
        (8/19 準々決勝)
        (8/20 準決勝)
        (8/21 決勝)

一目瞭然だろう。今日準々決勝を戦ったチームは決勝まで勝ち上がった場合、準々決勝、準決勝、決勝の3試合を試合-休み-試合-試合と、間に1日の休みをはさんで戦えるのに対し、明日準々決勝を行う4チームは3日連続での試合を強いられることになる。この2連戦か3連戦かの差は、競技の公正を期す上ではかなり大きな問題だと思うのだが、主催する朝日新聞はそう考えていないようだ。

実は数年前、このような日程に変えた理由について朝日新聞に問い合わせたことがある。その時の回答は「3回戦から決勝までの4連戦をなくすための措置」だというものだった。確かに、以前のように準々決勝4試合を1日で実施し、翌日準決勝、その次の日に決勝という日程であれば、決勝まで勝ち上がると4連戦になるケースがある。上記の6チームで言えば、成田、興南、報徳学園がそれに該当する。

だが、「選手の健康を考え」、「4連戦を回避する」ことが目的なら、準々決勝4試合を1日で行い、翌日を休息日とすればよいだろう。これなら、決勝戦で戦う2チームは同等に2連戦となり、4連戦どころか3連戦さえ回避することができる。

一応朝日新聞には提案してみたが、「ご意見として承っておきます」という木で鼻をくくったような紋切り型の回答しか返ってこなかった。

では現在の日程は公正なのだろうか。以下に挙げた、2004年以降の決勝戦の結果をご覧いただきたい(なお、2003年は雨天順延などがあり、結果として準々決勝4試合は1日で実施されたため省いてある[Wikipediaの記述による])。校名の後の「2連戦」というのは、準々決勝と準決勝の間に休みが1日あったケース、「3連戦」はそれがなく、準々決勝、準決勝、決勝を連続で戦ったケースである。

      優勝            準優勝
2010年 興南(2連戦)      東海大相模(3連戦)
2009年 中京大中京(3連戦)   日本文理(2連戦)
2008年 大阪桐蔭(2連戦)        常葉菊川(3連戦)
2007年 佐賀北(2連戦)      広陵(2連戦)
2006年 早稲田実(3連戦)    駒大苫小牧(2連戦) *再試合のため各プラス1
2005年 駒大苫小牧(2連戦)   京都外大西(2連戦)
2004年 駒大苫小牧(2連戦)   済美(2連戦)

優勝6チーム中、2連戦が4チームで3連戦が2チームである。大した差ではないと思われるだろうか。それでは決勝進出チーム全体を見てほしい。上記12チーム中、3連戦はわずか3チーム。残る9チームは2連戦である。つまり、2連戦か3連戦かの差は3試合目に現れるのではなく、2試合目の準決勝で生じるのである。

準決勝に進出するのは4チームで、その内準々決勝と連戦なのが2チーム、準々決勝から中1日で試合をするのが2チームである。ほかに有利不利の条件の差がなければ、決勝にはそれぞれ6チームずつが出てくるはずである。しかし現実には9対3と開きがある。これでも大きな差ではないと言えるだろうか。

もちろんまだ採用されてから年数が浅く、断定するのは早計かも知れない。が、今の日程を続ける限り、2連戦チームの有利はますます明白になって行くと予測しておく。

【追記】
今年の決勝の結果を追加した。これで優勝校は2連戦が5チーム、3連戦が2チームとなり、決勝進出は2連戦が10チーム、3連戦が4チームとなった。

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コメント

良い記事ですね。
今日の関西 対 如水館の試合を見ながら、この事について考えていました。

投稿: 通りすがり | 2011年8月17日 (水) 14時22分

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