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2010年9月23日 (木)

尖閣諸島問題のこと

PCと格闘している間に世の中は、

季節が一気に動き出し、
検察特捜部のエースが逮捕され、
白鵬が史上2位の連勝記録を樹立し、
戻り鰹の季節となり、
私の体脂肪が20%を切り、
小林圭樹さんが亡くなった。

しかし今日は―尖閣諸島をめぐる問題。

尖閣諸島の沖で日本の巡視船に体当たりした漁船の船長釈放をめぐって中国が強硬姿勢を強めている。

これまでに実施した主な対応は、

•5度にわたる丹羽大使の呼び出し。内1回は休日の深夜という異常な時間帯
•閣僚級以上の交流の暫定停止
•中国企業の従業員・家族1万人の日本への旅行中止
•上海万博への日本青年団の招聘中止
•SMAPの公演無期延期
•ニューヨーク訪問中の温家宝首相による衝突漁船船長の即刻釈放要求

などなど

ただこれらの対応策をよく見ると、日中関係に決定的な悪影響を及ぼす可能性があるのは閣僚級以上の交流停止と温首相の発言だけで、あとはすべて実質的な影響があまりない措置ばかりである。こうしたことを考えると、中国側も事態を修復不能なレベルにまで悪化させるつもりは、今のところないと言えるだろう。その段階の内に日本側も実効ある手だてを講じるべきである。

それには裏交渉も含めたありとあらゆる手段を動員するべきであり、同時に安易な妥協は避けなければならない。

領土・国境は国家間の問題では最も難しいものの一つである。ところが日本という国は長い間、領土問題や国境をめぐる問題で深刻な状況に追い込まれたことがなかった。もちろんそれには四方を海に囲まれた島国であるという点が大きく関与しているのだが、とにかく国境ということを等閑視する傾向があった。

おそらく国境のことを真剣に考え出したのは第二次大戦後、北方四島をソ連に支配されるようになってからのことだろう。それまでは、「国境というのは自ずとそこにあるものだ」程度の認識しかなかったのではないだろうか。或いは、「いつでも広げることができるもの」といった驕りだったかもしれない。

それが、現在の竹島(対韓国)、尖閣諸島(対中国および台湾)という問題につながったのではないだろうか。なんのことはない国境を直接接する国すべてと領土でもめているのが現実だ。

国境というものは常に監視し、維持し、守らなければならないもので、地続きに他国と接する国であれば痛いほどそのことは分かっているはずだ。ただ日本は幸か不幸か、地続きの他国を持たなかったがゆえに、国境経営に関して至って暢気なところがある。

たとえばロシア。世界で最も長い国境を中国との間に有するこの国は国境・領土という点に関しては強かである。こんな例がある。国境線の画定を急ぐことなく、双方に都合のよい状態で曖昧なまま安定させるという現状追認的手法である。その一方で、日本から奪い取って実効支配している北方四島の一つ択捉島では総額540億円あまりの公的資金を投じて学校などの社会インフラを整備し、島民には本土にはない様々な優遇措置を与えて住民数を増やし、実効支配の実を積み重ねている。

10数年前に起きた地震で一時人口が減り、日本への返還も検討されたと言われているが、現在では国際空港の建設さえ進められており、とても我々の目が黒いうちに返還されることなどないだろうと暗澹たる思いに駆られる状況にある。

イザヤ・ベンダサンこと山本七平が著書『日本人とユダヤ人』で述べた有名な言葉「日本人は安全と水はタダだと思っている」を模して言えば、日本人は国家安全保障も国境もタダだと思っているようだ。

かつて中国のある高官が「中国は歴史上、一度も他国を侵略したことはない」と発言したことがあった。政府の要職にある人間がこうした根拠のない妄言を口にする国があり、他国に向けてミサイルを発射する国もある。日本人はいま一度、国境や国家安全保障の問題とその負担ということを考えるべきだろう。

それが嫌なら領土の南端にある無人島のひとつやふたつ、さっさと他国にくれてやることだ。

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