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2010年11月 5日 (金)

尖閣沖衝突事件ビデオ

昨夜(厳密には今日未明)仕事をしていた時、息抜きにニュースサイトを見ていると、「尖閣ビデオ流出?」の文字が目に飛び込んできた。

直ぐにYouTubeにアクセスし、全6本のビデオを再生して見た。「ビデオNo.4」で巡視艇「よなくに」の船尾にかなり鋭角に突っ込んだ中国漁船、その後「ビデオNo.5」では「みずき」に船腹をこすり付けるようにぶつかっていた。さらに「ビデオNo.6」は、巡視艇「はてるま」から撮られたもので、「みずき」が左に舵を切って回避行動しているところへ、斜め後方から中国漁船が体当たりして行く状況が映っていた。

あの映像が「本物」であることは間違いないだろう。さすがの中国政府も表立っての反論や反発は控え、ネット上の映像や書き込みなども規制し始めているようだ。

映像を見た今、やはり思うのはなぜ日本政府はこれを公表しようとしなかったのかという疑問である。中国漁船が故意にぶつけてきたのは一目瞭然であり、中国が漁船の船長釈放を激しい口調で求めてきたとき、あの「よなくに」にぶつけてきた瞬間の映像だけでも公開すれば、中国を黙らせることは可能だったのではないか。

いや、あの国のことだ、「釣魚島(尖閣)は中国の領土であり、因ってその周辺海域も中国の領海である。領海侵犯をしているのは日本の巡視艇の方だ」という理屈で反論してきたかもしれない。それでも事件の原点を明らかにすることは重要不可欠なことだろう。

今回の問題の根本は、鄧小平の「領土問題棚上げ」発言に反論しなかったことを含め、日本の歴代政府のあいまいで、弱腰の、「臭いものにはふた」ないし「問題先送り」体質にある。いわゆる「先の大戦」でアジア諸国に多大な損害を与えたことは否定できないが、それと領土は別問題である、という毅然とした態度を示すことを避けてきたことが、現在のこじれた状況を惹起せしめたわけだ。

1990年代に中国が「第一列島線」、「第二列島線」をいわば逆手に取り、その突破を目指し始めた時、日本はもっと警戒心を強めるべきだったのだろう。現状はきわめて難しいと言わざるを得ないが、これからも従来のような弱腰で終始すれば、事態はますます悪化することになり、尖閣諸島のみならず、他の島嶼部や、東シナ海の(さらには南シナ海の)航行権すら失うことになりかねない。

また、機密扱いのはずの検察の証拠がこうしてネットに流出したことについては、徹底した検証が必要だろう。先日の警察の公安資料流出もそうだが、政府機関に組織的な欠陥があるのかもしれない。調査、対策が必要である。

ただ今回の件に限って言えば、政府がさっさとビデオを公開していれば、このようなことは起こらなかったはずで、その意味でビデオ流出の最大の原因はシステムの欠陥などではなく、政府への不信・憤りと言えるかもしれない。

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