« 将棋:第69期B級1組成績順位表 【8回戦】 | トップページ | 将棋:第69期A級成績順位表 【5回戦】 »

2010年11月15日 (月)

白鵬の連勝止まる

大相撲の横綱白鵬が敗れ、連勝記録が63で止まった。

典型的な後出しジャンケンみたいになってしまったけれど、やはりこのことは書きとめておきたい。

昨日、大相撲が初日を迎えたので白鵬の連勝のことを書こうと思っていた。率直に言えば、新記録が達成される可能性は高いと見ていた。が、そこは勝負事、絶対はあり得ないわけで、ましてモンゴル出身という白鵬の出自を考えると、プレッシャーは相当のものだろうとは思っていた。

プレッシャー…それは白鵬が感じるのではなく、周囲の日本人力士 ― なかでも番付上位の力士たちにかかるプレッシャーである。

なにしろ保守的なことに関しては、数あるプロ競技の中でもナンバーワンであろう角界で、幕内最高位を長年独占されているだけでなく、興行面でもモンゴル勢の貢献を無視することのできない現実がある。それに加えて、「角聖 双葉山」の69連勝という大記録をも塗りかえられたら、日本人力士たちはその存在意義を否定されることになりかねない。

白鵬を降した稀勢の里が取り組み後のインタビューで見せた険しい表情が重圧の大きさを物語っていた。そこに日本相撲協会がかかえる大きな矛盾が見えている。つまり、自称ではあれ、日本の国技を標榜しながら、内実は外国出身者によって支えられているという矛盾である。今は部屋ごとの所属人数に制限を加えて、かろうじて「ローカルコンテンツ率」を維持しているが、これからも現状ないしそれ以上の「率」を維持していけるかに関しては非常に心許ない。

現実、1998年の第3代若乃花から12年以上、日本人横綱は生まれておらず、次の横綱になる可能性を感じさせる日本人力士もいない。おそらく第70代横綱も外国人がなるだろう。

そこで問題になってくるのが、日本vsモンゴルおよびその他の国々という対立構図である。現在はまだ顕在化しているわけではないが、力士や親方たちの意識には間違いなく存在しているはずで、いずれ今の「一門」や「部屋」という枠組みを越え或いはそれを無視する形で吹き出してくるのではないだろうか。もしそうした事態になれば、現在の「日本の国技」という大相撲のビジネスモデルは崩壊することになる。

その意味で白鵬の連勝を止めたのが日本人であったということは、大相撲の背景にあるそうした潜在的な対立図式を垣間見させるものであったといえる。そして、今日の白鵬の敗戦は、その現実を ― 日本人力士が感じているプレッシャーの大きさを ― あまく見ていた白鵬の油断にも原因があるといえる。

油断とは少々厳しい言葉かもしれないが、的外れではないはずだ。なぜなら、白鵬が敗れるとしたらその相手はモンゴル出身者ではなく日本人だろうというのは、相撲を知っている人なら容易にたどり着ける結論だからである(実際、私は7月にそのことを予想していた)。

白鵬という人が「日本人になろう」と大変な努力をしていることや、力士として立派な心がけを持っていることは認めるが、残念なことに角界およびその周辺にある種の「純血主義」が根強く残っているのも事実だ。「世界を相手に戦うこと」が当たり前の(たとえば)サッカーのような競技と違い、それが大きな問題になる可能性は非常に高い。

考えてほしい ― 行事と呼び出し以外はすべて外国人、或いは三役以上は全部外国人となった場合、それを国技と呼ぶのは無理だろう。

|

« 将棋:第69期B級1組成績順位表 【8回戦】 | トップページ | 将棋:第69期A級成績順位表 【5回戦】 »

スポーツ」カテゴリの記事

コメント

白鵬の連勝記録が話題になり始めた頃から、私はずっと、かつて週刊モーニングに連載されていた『ああ播磨灘』という漫画のことばかり連想していました。傲岸不遜な主人公・播磨灘が、「一敗でもしたら引退する」と豪語して69連勝超えを目指す。あいにく、途中で購読をやめてしまったので、連勝記録がどこまでいったか知らなかったのですが、ネット上の情報によれば、64連勝したところで連載が終わってしまったんだとか。この数字の近さ、なかなか不思議なもんです。

ところで、白鵬はわりと最近、地元の小学校(私の母校でもあり、子供らも通っている)に来ています。校内の改築に合わせてかなり立派な土俵ができあがり、その土俵開きに招待したとか。私は後で知ったのですが、近所のおばさんによれば、横綱にふさわしい礼儀正しい方だったそうです。

投稿: baldhatter | 2010年11月16日 (火) 19時17分

『ああ播磨灘』というマンガは覚えています。1、2度は読んだことがありました。
掲載誌はちがいますが、確か『のたり松太郎』と同時期に連載されていたので
はなかったでしたっけ。ストーリーは知りませんでした。
そういえば、『のたり松太郎』も今一つ釈然としない終わり方でしたね。

投稿: Jack | 2010年11月18日 (木) 00時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/220529/50042320

この記事へのトラックバック一覧です: 白鵬の連勝止まる:

« 将棋:第69期B級1組成績順位表 【8回戦】 | トップページ | 将棋:第69期A級成績順位表 【5回戦】 »