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2011年2月 4日 (金)

「流旅転生 鈴木藏の志野」展

Photo今年最初の展覧会は菊池寛実記念智美術館(きくちかんじつきねんともびじゅつかん)で開催されている志野焼の陶芸家(人間国宝)鈴木藏(すずきおさむ)の作品を集めた「流旅転生 鈴木藏の志野」展だった。

結論から言ってしまおう―物足りなさを覚えた展覧会だった。

個々の作品には唸らされるものもあり、志野焼という(鈴木本人は「志埜」の字を好んで使っているようだ)長い歴史を持つ焼物に新たな意匠を取り込み、また縦横1メートルにも達しようかという巨大な花器もあって、作者の力量ということでは不満を言うべきところはないのだが…。

志野というと真っ先に思い出されるのが国宝の茶碗「卯花墻」(三井記念美術館:写真左)だが、正直言えば私は鼠志野茶碗「山の端」(根津美術館:写真中)の楚々とした趣や、ふてぶてしいほどの存在感を見せる「峯紅葉」(五島美術館:写真右)の方が好きである。

3

 

 

今回展示された鈴木の茶碗は20点はくだらないと思うが、私の中にあった、上記3碗に代表される志野のイメージからすると、なべて「軽くて明快」なのである。それが鈴木の作風だといわれてしまえばそれまでなのだけれど、あまりに明朗であって、志野特有の朴訥さに欠けるような気がしてならない。

それと単純に言って、あの点数で、あのバリエーションでの展覧会は、観る側からするとやはり物足りないという想いを拭い去ることができない。一個の展覧会として見た場合、出陳された作品群からこちらが圧倒されるような感銘が湧きあがってこないのだ。もちろん志野が好き、鈴木藏が好きという人には十分堪能できる内容なのだろうけれど。

ところで会場となった菊池寛実記念智美術館だが、私は今回初めて訪れた。菊池寛実(1885-1967)は栃木県出身の実業家で、主に炭鉱経営で財を成した人物であり、その娘である菊池智(きくちとも)は現代陶芸の収集家として知られ、またこの美術館の理事長であると同時に、京葉瓦斯の取締役会長も務めている人物である。

美術館はホテル・オークラ別館と道一本隔てた場所にあり、しかもビルの地下にあるため、曲がりくねった階段を下りて行くという趣向を楽しむことができる。また行ってみたい美術館だ。

「流旅転生 鈴木藏の志野」展は3月21日までの開催。

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