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2011年3月31日 (木)

全国の原発の30km/50km/100km圏

私が小学生だった頃、原子力発電は「夢のエネルギー」だった。そうした分野の話が好きだった私は学校の図書館で『原子の世界』という子供向けの解説本を借り、その内容を(当時コピー機などというものはなかったので)一字一句正確にノートに書き写した。

そんな子供時代の「刷り込み」もあったためか、この年になるまで原子力発電というものにあまり疑問を感じることがなかった。だが今、福島で起こっていることを見て、原子力発電或いは核エネルギーというものがはたして人間に御しきれるものなのかどうか、俄かに疑念が生じてきた。

無論、これからの詳細な調査による事故原因の究明をまたねばならないが、今の段階では賛成とも反対とも判断しかねているというのが正直なところである。というのも、核分裂によるエネルギーを利用した発電技術というのは、今回事故を起こした原子炉が建設から40年も経っていながらなお(地震ならびに大津波が発生するまでは)曲がりなりにも正常に作動し、電力供給に寄与していたという事実がある。

問題はその原子炉及び付帯設備を自然災害から守る手段に欠陥があったということであれば、その面での対応策を考えるべきではないだろうか。

また、原子力発電所はすべて国が直接管理するべきであろう。たとえ電力会社という経営基盤がしっかりとした企業であっても、営利追求を是とする民間企業では安全対策への投資には自ずと制約が生じる。ミッションクリティカルなシステムに冗長性が必要なことは言うまでもなく、冗長性とは表面的には効率と相反するものである。

これからは日本人誰もが「原発は要るか否か」を考えねばならないが、その手掛かりの一つとして(また私自身のためもあり)、日本全国にある原発を中心とした30km圏(今回の事故で避難指示ないし避難要請が出ている範囲。早晩避難指示は30km圏まで拡大されるだろう)、50km圏、100km圏を地図にプロットしてみた。

これを見て、あなたが住む地域が何キロ圏に含まれるのか。最も近い原発の防災対策をはじめ、発電能力や所有する電力会社、その所有電力会社の発電能力に占める割合などを調べ或いは考えるよすがになればと願う次第である。

30_50_100km_2

 

赤い円が30km、青が50km、緑が100kmを表している(計画中の原子炉は対象から外した)。

原子炉の数は既存のものが合計55基(高速増殖炉「もんじゅ」を含む)。建設中のものが2基、計画段階にあるのが12基である。表にある「PWR」とは「加圧水型軽水炉」、「BWR」とは「沸騰水型軽水炉」であり、主に東日本ではBWRを、西日本ではPWRを採用している。これまでに廃炉となったのは4基(「ふげん」を含む)。

9電力会社(沖縄電力を除く)のほか、日本原子力発電と日本原子力研究開発機構(「もんじゅ」)が所有・運用している。

ご覧の通り、100km圏には日本のおもな都市の大半が含まれる。

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