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2011年3月20日 (日)

放射能:分かり難いから怖い

既に新聞やテレビなどでも報道されている通り、文部科学省が山形、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟の8都県の1平方メートル当たりの降下物(雨やちりなど)から2.5~540ベクレルの放射性ヨウ素(ヨウ素131、132)が、岩手、山形、栃木、群馬、千葉の5県の降下物からは0.24~63ベクレルの放射性セシウム(セシウム134、137)が検出されたと発表した。

01_5この発表による限りでは直ちに人の健康に影響する量ではないようだ。また、元木一朗さんのブログで知ったのだが、都立産業技術研究センター駒沢支所(世田谷区奥沢)では3月13日から放射性物質の測定を開始しており、その結果を公表している

3月13日から測定を開始し、13日と14日には4つの放射性物質ともに測定値はゼロだった。が、15日になると様相が一変して、ヨウ素131が最大241ベクレル/m3、ヨウ素132が同281ベクレル/m3、セシウム134が同64ベクレル/m3、セシウム137が同60ベクレル/m3だった。

その後今日まで継続して測定は続けられており、一応数値は低下し続けている。

ここで気になるのが、都立産業技術研究センターでの検出量が果たしてどの程度に危険なのかという点だが、放射線障害というのは放射線の種類や身体の部位などによって異なったり、また「確定的影響」と「確率的影響」(別の機会に取り上げる予定)というものもあり、なかなかに理解しにくいものである。それでも一応の目安になるものはないかと調べていると、こんなグラフを発見した。

Photo 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

標題にもある通り、放射線を一度に浴びた場合の影響を示したもので、全身被曝ではおおよそ7000ミリシーベルト(=7シーベルト)を一度に浴びる(体外被曝)とほぼ全員が死亡するということである。また今回の福島原発事故では特例措置として作業員の(体外)被曝線量の上限を250ミリシーベルトに引き上げたが、それは「250ミリシーベルト以下で健康被害が出たという明らかな知見はない」(厚労省)からだとのことである。そうした数字を頭に入れて、上述の都立産業技術研究センター駒沢支所での測定値からどの程度の放射線量が生じるのかを調べてみた。残念ながら情報を入手できたのは「ヨウ素131」だけだった。下がその表である。

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これによると、年間17ギガベクレル(1.7×1010 Bq/y)で実効線量は0.043マイクロシーベルト/年ということであることから、オーダーが「ベクレル」である世田谷での測定値であればその実効線量はきわめて小さなものであるということになる。

ただこれはおそらく体外被曝の場合であろう。また放射性ヨウ素に比べてはるかに半減期が長い放射性セシウムの実効線量が不明なのも気になる。上記の表やヨウ素からの類推で、セシウムについても今回の測定値であれば問題ないとは思うが、政府はそうした放射性物質ごとの違いや放射能と被曝線量の関係を分かりやすく説明するべきだろう。

放射能を人々が恐れるのは目に見えないことが大きな要因だが、分かりにくいことも恐怖に拍車をかけている。ぜひとも客観的、科学的説明で安心させてほしいものである。

今回参考にしたブログ、サイト

■「ウコンやしじみで酒に強くなるわけねーだろバーカ」社長のブログ
http://blog.livedoor.jp/buu2/

Yomiuri Online
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110315-OYT1T00826.htm

東京都立産業技術研究センター
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/whats-new/measurement.html

環境科学技術研究所
http://www.ies.or.jp/

放射線影響協会
http://www.rea.or.jp/

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コメント

> 分かり難いから怖い

まさに仰る通りです。
廻りから、「広島・長崎はどのくらい(の期間、放射能で)危険だったの?」と問われて応えられません。本籍は長崎なのに、親戚の家から爆心地へよく散歩に行っていたのにです(被爆当時はいませんでした)。遠く離れたモントリオールで気にする人がいるのですから、日本国内にいてはもっとでしょう。広島・長崎の時は、初めてでもあり情報も情報網もなく、実験と実際の食い違いもあったと思います。今は、当時よりきちんとしたデータがあるのですから、人体に害が「ある」・「ない」を分かりやすく公表してほしいと思います。そして、「正確な」情報が「きちんと」伝わりますように。

アジアでは自然の大きさを見せつけられ、北アフリカでは内戦が拡大して、米英仏の爆撃が始まりました。いずれも、犠牲者が最小限にとどまりますように、ただ祈るだけです。

投稿: pompon | 2011年3月22日 (火) 08時41分

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