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2011年4月12日 (火)

原発事故:時間との競争

今日、原子力安全・保安院が、福島第一原子力発電所の事故に関する国際原子力事象評価尺度(INES)を最高のレベル7とする暫定評価を発表した。

これまで原子力発電所の事故としては1986年のチェルノブイリ原発事故が唯一レベル7だったのだが、そこに「Fukushima Daiichi」も加わることになってしまった。

Ines

これからは放射性物質の拡散を如何にして防ぐかが最優先事項となり、そこには時間的制約も加わってくる。

まず第一に、これまでのように放射性物質の原発外への拡散・飛散を許していたら、近隣地域は完全に人が住めないまでに汚染されるおそれがある。今までに外部に放出された放射性物質の推定量はヨウ素131換算で37京ベクレル(原子力安全・保安院)と63京ベクレル(原子力安全委員会)に意見が分かれている(一応、オーダーではほぼ一致していると言ってよい)。また東京電力が「圧力容器や格納容器内の総量や損傷、格納容器などを経由してどれくらい外に出たかの評価は定まっていない」として推定値すら公表していないのは、この会社の当事者能力を大いに疑わせるものである。

ではこれが放射線量になるとどれくらいの値になるのか。

以前の記事で、「1ベクレルは0.022マイクロシーベルトに相当する」らしいと書いたが、これが正しいとすると、

370,000,000,000,000,000×0.000000022=81,400,000,000(81億4000万シーベルト)

となる。人体に影響が出るとされるのが「年間100ミリシーベルト」だから、

81,400,000,000÷0.1=814,000,000,000

政府や東電が好きな表現を借りれば年間被曝線量限度値の814億倍となる。はたしてそれほど大量の放射性物質が放出された現場で人間が何分間作業できるのかは想像もつかないが、それは決して長い時間ではないだろう。通常なら1時間もかからずに完了する作業でもその何倍、何十倍の時間をかけざるを得ないに違いない。

時間的制約とはそのことである。素人目にも福島第一原発の惨状から、復旧作業には数カ月単位の時間が必要だろうという予測は立つ。それに、放射能汚染された現場での作業に要する作業の遅延係数をかけたら、単純には数年ないし10年以上の年月が必要となってくる。これは瓦礫の撤去や交換機器の設置、配線のやり直しなどの(核物質に直接関係しない)通常の復旧作業に関するものである。その後にはさらに「廃炉」手順が必要となる。

時間を気にする理由はもうお分かりだろう。そう、あと半年もすれば日本は台風の襲来期になる。あの強烈な波風に対抗して、放射性物質の飛散・拡散を防ぐには仮設の防護手段では間に合わない。堅牢な材質・工法で、破壊された原子炉建屋を補強しなければならない。

だがその前に3つの原子炉を安定状態にする必要がある。今はもう、そのために必要となる費用のことなど気にしてる場合ではない。可能な方法は総動員する覚悟が要る。ところが、東京電力の対応を見ているとこの期に及んでまだコストを気にしているように感じられるのだが私の杞憂に終わってほしいものである。

とにかく、放射性物質の放出を一刻も早く止めることが最優先だ。

秋になって台風が来ないことを神に祈るような事態にはしてくれるなよ。

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