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2011年4月29日 (金)

ご挨拶、身辺のこと、そしてこの先は…

日本ではゴールデンウィークが始まりました。高速道路では既に渋滞も起きているとか。事故には十分ご注意を。

それと「被災地観光」は厳に慎んでください。

この1か月余り、実にいろいろなことが起こりました。

なんといっても3月11日の大地震です。当日我が家はたまたま3人とも家にいて怪我などはなく、ガラス食器が1、2割れた程度の被害で済みました。が、揺れが来たときは、「とうとう東海沖地震が起こったか」と家が倒れる事態も覚悟しました。間違いなくこれまでに経験した中で最大の震度でした(これまでに、釧路、仙台、伊豆で大きな地震を経験したことがあります)。なお、息子はお店にいてこれまた無事。あの日はお店が早仕舞いになったとか。

あの日以来、私はここで地震以外の話題について書くことができなくなりました。実は今もその傾向は残っています。

地震直後にははっきりとしたことは分かりませんでしたが、阪神淡路大震災の時がそうであったように、きっと徐々に全貌が明らかになって行くはずだ。そしてその被害は想像を絶するものになるに違いない。そう考えたのですが、残念ながらこの予想は当たってしまいました。地震から7時間後に停電が解消、さっそくつけたテレビに映る被災状況に、文字通り言葉を失いました。

阪神・淡路大震災の時もそうでしたが、あまりに悲惨な状況を目にすると人間というのは無意識に感受性の感度を下げてしまうようです。家や道路、川、田んぼ、栽培用のビニールハウス、車などを呑み込んでどんどんと広がって行く巨大な水の塊を見ている時、自分の心が無反応になっていることに気付きました。そして心の中で、「いや大丈夫なんだよ。もう住民はみんな避難していて、あそこには誰もいないんだよ」と自分に言い聞かせている声に気付きました。もちろんそれが虚しい希望であることには薄々気づきながら。

今、手元に3月11日の夕刊以降、1か月分の新聞があります。当日の夕刊はいつもの紙面ですが、翌日の朝刊から第一面には全段ぶち抜きの大見出しが並んでいます。それは10日間以上続きました。その後見出しは小さくなったものの、トップ記事は必ず地震関連でした。やがて、紙面の主役は福島第一原発事故へと移って行きます。

紙面のあちこちには私が書いたメモが残っています。新聞を読みながら、或いはテレビを見ていて気付いたこと、気になったことを書きとめたものですが、中には自分でも意味が分からない走り書きもあります。

幸い身辺に被害はありませんでしたが、古くからの友人のお母さんが、入院していた病院が被災したため自宅に戻らざるを得なくなり、帰宅して数日後に亡くなられました。東京在住の友人は道路も鉄道も遮断されていて、かろうじて唯一運行していた飛行機で実家に戻り、通夜・葬儀を執り行ったとか。おそらく今日あたり、四十九日の法要で実家に戻っているはずです。四十九日が過ぎたら一度会おうということになっています。「おいしいお酒が飲めるところで私を供養してください^^」、友人のメールです。

今回の震災では多くの人が妻や夫や息子や娘、祖父母、友人知人を失い、家や長年かけて築いてきた財産を奪われました。そうした人たちや上記の友人のことを思うと、気楽に将棋や音楽、サッカーのことを話題にする気になれなくなりました。

私は特段の信仰を持ちませんが、小さい頃から慣れ親しんだ仏教については時々感心することがあります。その一つがこの「四十九日の法要」です。49日間というのは、残された遺族にとっては嘆き悲しむ時から脱して、前に歩み始めようかと気持ちを切り替えるのに実に適した日数だと思います。これが30日では短すぎるし、60日では長すぎる。

最近になってようやく地震以外のことにも触れる気持ちが起こり始めたのも、この「四十九日効果」なのかもしれません。「Library」の方では長いこと停滞していた「Shogiブレイクムーブ01」を先日再開しました(お待たせして申しわけありませんでした)。Twitterではお気楽な発言もしています。連休の間は仕事ですが、休みが明けたら(フリーランスの特権を活かし)ちょっと旅行にも行ってこようと計画しています。

いろいろなことが起こったと言いましたが、こうして書いてみると主に地震とその影響のことしか記していません。実はそのほかにも次女の学校や長男の仕事のことなど、プライベートな事柄でも小さからぬ変化はあったのですが、それはまた別に機会があったら取り上げることにします。あ、個人的なことと言えば、実はこっそりと失恋などしてしまいました。でもそれを含めて私の中の復興は前に進み始めています。直ぐにフルスロットルというわけにはいきませんが、また趣味やスポーツ、自分が知って驚いたり、感心したことなど、思いついたままに綴って行きます。これからも気が向いたときで結構ですから立ち寄ってみてください。

Jack

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コメント

Jack さんにようやくお会いできたのは、ポスト311でした。あれから、まだ 2 週間しか経っていないことに今改めて驚いています。そのくらい、3/11 以来いろんな感覚がおかしくなっているのかもしれません。3/11 以降、私も本当に書きたいことはブログに書いていません(side B などにときどき漏らしていますが)。そもそも本当に書きたいことが何なのか、その整理さえできていないのかもしれません。

自分の仕事も家族の日常も、現実の生活は以前と何ひとつ変わっていない。でも、そんな日常を送る一方で、今の日本と日本人の姿に困惑し狼狽しつつも何とか必要な情報を手に入れようとじたばたしている、どこか現実感のない自分がいる。思考停止だけはしないつもりでも、判断に必要な材料が足りない。そもそも判断に何が必要なのかもよくわからない。

今の日本で、ネットから得られる情報が貴重なことは間違いないのですが、これだけ情報が氾濫していると、それすらも、はたしていいことなのか悪いことなのか不安になります。そんな中で私が頼っているのは、自分が直接知っている人の発信する情報です。その一角であるこちらのブログ、Jack さんがこうしてわざわざ署名入りの意思表明をお書きになったことを重みを受け止めつつ、これからも更新を楽しみにしています。

投稿: baldhatter | 2011年4月30日 (土) 03時44分

>これだけ情報が氾濫していると、それすらも、はたしていいことなのか
>悪いことなのか不安になります。

まったく同感です。情報に誠実に対応しようとすればするほど、情報は
増えて行く性質があり、ある種の無限スパイラルに陥ってしまいます。
そこで「見切り」のようなことが必要になってくるのではないでしょうか。
それといったん情報から離れるといったことも大切な気がします。
私が意図的に「オフラインの時間/日」を設けているのも、単にしんどい
からというのもありますが、情報受容に対して頭をリセットする意味が
あるのかもしれません。

投稿: Jack | 2011年5月 1日 (日) 12時30分

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