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2011年5月10日 (火)

原発事故:羹に懲りて膾を吹く

今日(2011年5月10日)管総理大臣が、2030年までに原子力発電の比率を50%以上に引き上げることなどを目標としたエネルギー基本計画を白紙に戻して検討しなおすと発表した。

あれだけの大きな事故が起きたことを考えると、妥当な決断だと思う。また同時に、総理大臣としての給与を事故収束の目途が立つまで返上することも公表した。

先の中部電力浜岡原子力発電所の操業停止要請では、「パフォーマンスだ」、「スタンドプレーだ」、「十分な検討が行われていない」など批判する声が多かったが、今回の決定についてはそうした声は上がらないのではないかという気がする。

あの要請にしても見方を変えれば、批判派が普段、管総理に欠けていると口にする「リーダーシップ」に基づいた決断と言えるだろう。ただ「要請」などと、最終的責任を中部電力に押し付けるような形ではなく、はっきりと指示した方がよかった。

因みに、浜岡原発の運転停止による経済活動への影響はどの程度の規模になるか、素人には断定などできることではないが、休眠火力発電所などを動員すれば限定的なもので終わるのではないかと考えている。

浜岡原発停止については以前にも書いた通り、福岡第一原発の事故の原因が未だ全面的に解明されたわけではないことを考慮すると、現時点では「羹に懲りて膾を吹く」姿勢が必要だということに尽きる。まして参考値であろうとも、一応専門家の検討で「M8級の地震が30年以内に起きる確率が87%」とされる地域にある原発である。可能な限りありとあらゆる安全対策を施すべきだろう。

ところで、今日のYomiuri Onlineに次のような記事が掲載された(一部抜粋。全文はこちら)。

4号機の激しい損壊、水素爆発以外の原因か

 東京電力は9日、福島第一原子力発電所で、原子炉建屋が激しく壊れた4号機について水素爆発以外の可能性があるとみて調査していることを明らかにした。

(中略)

 建屋内には、原子炉内のポンプを動かす発電機の潤滑油貯蔵タンク(約100トン)があるほか、溶接作業などに使うプロパンガスのボンベもあったとみられ、東電で関連を調べている。

私が心配していたのは、こうした「予想外の事態」である。素人の目からは、原子炉建屋内に大量の油やガスボンベが置かれているということは安全上とんでもないことだと思えるのだが、日本の原発では普通のことなのだろうか。よもやとは思うが、万一それが爆発に何らかの形で関与していたらかなり背筋が冷たく感じられる事態である。そうなれば浜岡原発も単に防潮堤を作るだけでなく、構内の総点検が必要となるだろう(他の原発も同様だ)。

やがて状況が落ち着き、人間が建屋内に入るなどして詳しい調査が可能になると、こうした予想外の事項がさらに明らかになってくるような気がしてならない。その中に事故の原因や遠因が含まれている可能性も現時点では否定できないし、他の原発にも共通する事柄が含まれていることも考えられる。

私はやはり、浜岡原発の運転停止は正しい判断だったと思う。

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