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2011年6月17日 (金)

時計の石 続編

Rolexsubmariner以前、腕時計の石について取り上げたことがあった。その時、時計の石の数が、「21石」や「23石」など奇数なのは、歯車の軸受けとして2個1組として使うほか、龍頭に1つ使われているからだと書いた。それに対して、匿名の方から「振り石の1石じゃないですか?」というコメントを頂戴した。

調べてみた。

まず、「振り石」とは何か。詳しい説明はこちらをご覧いただきたい。え、リンク先を見たけどよく分からない? 実は私も今ひとつ理解しきっていないような歯痒さを感じているのだけれど、「振り石」とは、ゼンマイ→歯車と伝わってきた動力を、最終的に針の動きに変換するための部品である「テンプ」に取り付けられている「石」である。この「振り石」を「アンクル」というT字型の部品が「蹴って」、テンプを回転させる。それが「針の動き」となるようだ。

で、この「振り石」はテンプに1個だけ取り付けられている。つまり、「時計の石数=歯車の数×2+振り石の1個」ということで奇数になるわけだ。因って、私の「龍頭に使用されている1個」という記述は誤りであり、ここに訂正させていただく。

ところで、これも前に書いたことだが、最近では腕時計の売り文句として石の数を取り上げることがなくなったが、それはいったいどんな事情によるのだろうか。

メカニック式腕時計の初期には、今日軸受けに使われている人造ルビーを量産することができず、そのため天然ルビーを加工して使わざるを得なかった。必然的に、石の数が多いほど高級品ということになる。そこで時計メーカーは競って、多数の石を(中には必要もないのに)時計に組み込むようになり、石の数ばかりが無闇と増えていったのである。

そうした無駄な風潮に歯止めをかけるため、業界全体で見直しが行われ、「時計の石数として表示できるのは、実際機能上必要な石のみ」とする国際的な定義が作られた。以来、定義に外れた石はカウントできなくなり、石の数をめぐる競争は自然と沈静化していった。

また人造ルビーの量産が可能になり、人造ルビーは安価なことから、その使用数を宣伝しても高級感を演出することができなくなってしまった。こうして、腕時計の広告から石の数が消えていったのである。

現在の多機能クロノグラフのように機構が複雑になればなるほど部品点数が増え、同時に使われる石の数も増えていくことになる。今では30を超える石を使用しているモデルもあるそうだ。

資料:セイコーウオッチ株式会社

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